2004年07月29日

青山ブックセンター閉鎖にまつわる大騒ぎと違和感

青山ブックセンターが閉鎖して、なんか、みんな大騒ぎしている。
まあ、自分のお気に入りの書店が閉鎖したってんだから、感傷的にもなるわな。
で、私はというと、皆が大騒ぎしている、それを頭で理解は出来るのだけれど、だからどうしたという冷めた感じが否めない。
なぜか?
それは、私が青山ブックセンターとはついぞ縁の無い、地方在住者だからだ。


田舎者が何を言っているんだ、と思う人もいるだろうけど、なんかね、いままでが恵まれていたというだけじゃないのか、ある書店の閉鎖で活字文化の進退がどうこういうところまで言ってしまうってのは勘違いじゃないのか、ってのがあるんですわ。まあ、田舎者の僻みかもしれんけど。
私は大学卒業まで新潟にいたのだけれど、一番読書に夢中になった時期、お世話になったのは、全国に何店舗も展開する大型書店ではなかったんだ。紀伊之国屋は新潟にもあったから利用したことはもちろんあったけれど、むしろ地元の、品揃えに優れた新潟市内の万松堂や、痒いところに手が届いた新津市の英進堂、いつまでも時間をつぶせた大学の生協、大学周辺の古本屋、SFの品揃えが充実していた五泉市の古本屋である古文堂、駅ビルに入っていたヴィレッジ・ヴァンガード、そういった書店だった。おまけに、他にも北光社なんていう書店もあって、選択の余地もあった。
(もう長いこと新潟の街を歩いていないので、これらの書店がどうなっているのかわからない。ヴィレッジ・ヴァンガードが撤退したのは知っているんだけれど)


つまりあれだ、地方にだって読書を楽しんでいる人たちが大勢いて、そういう人たちを育んできたのは、青山ブックセンターやら、紀伊之国屋やら、リブロやら、ブックファーストやら、書泉グランデやら、ジュンク堂書店やらといった全国の(とはいっても限られた)都市部に展開する大型書店ではなく、地元の書店だったわけでしょ。
そういった地元の書店も、たくさん倒産しているわけですよ。これは、日本にも遅れてやってきたモータライゼーションとやらで、郊外型の店舗というモデルが発達し、従来の街の中心に位置する大型店舗というモデルが衰退していくという、大きな流れに沿ったものでもあるんだけれど。
で、とにかく地方の書店もガンガン潰れた。いわゆる街の書店なんかはもう悲惨。私の生まれ故郷の小さな町では、もう何年も前に一軒も書店がなくなっちまったよ。
この時、どのくらい多くの人が、「読書という文化の危機」を訴えたんだろう。
それでも、私や周りの本好きたちは、本を購入し、貪るように読んでいたんだ。


そして、つい最近青山ブックセンターが潰れた。
これも大きな流れに沿ったものだわな。今時、家賃は高いわ集客はさほど見込めないわで、都心部にビジネスチャンスを求める小売業者など、ほとんどいない。
安い家賃で、そこそこの集客が見込める郊外のほうが、利益が出るんだよ、今のところ。今後はわからんが。
もうあえて言ってしまうけれど、当然じゃねえか、潰れるのも。
全部が全部潰れることもないだろうが、全部が全部生き残ることもありえない。あたりまえだ。
そりゃ、自分のお気に入りの本屋が無くなったらさびしいってのはわかるんだがね。
もう、ぶっちゃけちゃうと、なんかむかつくんだよな。俺のは田舎者の僻みだが、いわゆる都心部の驕りってのも、多分にあると思うぞ。
posted by 旅烏 at 03:32| Comment(3) | TrackBack(3) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

本は回復したのかな。

Copy & Copyright Diary@JUGEMさんによると、今年上半期の書籍売上、7年ぶりに前年を上回ったそうです。
うん、めでたい。
たしかにあれだ、「バカの壁」「負け犬の遠吠え」が話題になったり、「世界の中心で愛を叫ぶ」でいつエリスンが怒り出さないかとひやひやしたりと、ベストセラーがらみの話題も多かったなあ、と。
私、出版不況ってのは構造不況だと思ってまして、不景気で売れなくなってきても、硬直的な価格設定や流通形態のためにロクな手を打つことが出来ず、ずるずるときてしまったってことだと思っております。
で、「確実に売れるものしか出版しない」という、悪い意味での商業主義も進んでいるなんていう話もありますね。
というそんな中での業績回復は、(まったく実感は湧きませんが)景気のわずかな上昇と、現場(書店も出版社も含む)の地道ながんばりが功を奏したものだと思うんですが、構造的な問題は何一つ変わっていないわけで、ここで売上の回復に胡坐をかいてしまうと、数年後に同じ状況に追い込まれそうな気もしますね。
とりあえず、小売が何か手を打とうにも身動きが出来ない、出版社と取次の力がやたらでかくなってしまっているいびつな流通をなんとかしたほうがいい感じがします。
というと、(まあ、レコード輸入権を巡るやりとりでも見られた光景ですが)出版業は特別なんだから流通もこれでいいんだっていう意見も出てくるでしょうが、出版業が商業ベースにのってもう久しいわけですから。これからも商業ベースに乗っかった商売をしていくというんなら、やっぱり流通から見直したほうがいいかと。
他業種から見ると、めちゃめちゃいびつなんですよ?
たくさん売るために硬直した構造を見直すか、それともたくさん売ることを諦めて、小部数でも利益が出るようなやり方を模索するか、どちらかに取り組んでいただくってのが、商売の筋かなあ、と。もちろん、出版社によってどちらを選ぶかは違ってしかるべしでしょうし、同じ会社でも部署によって違うってのもありでしょうが。
これから人口は減っていくわけで、売上が伸び続けるなんてことはありえないから、後者をオススメいたしますがね。

というか、「理想的な経営を行えば売上は伸び続ける」という幻想は根強いものがあります。それがガラガラと崩れていくという点で、これから大変な時代になるんでしょうかね?
posted by 旅烏 at 02:31| Comment(3) | TrackBack(4) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年07月26日

甲子園でJASRACは潤うのだろうか?

おそらく、結構有名な話だろうなと思うのですが、私、今日はじめて知りまして、一応書いておこうかな、などと。
いや、NO! CCCDさんを拝見していまして、そこのリンクでこちらの日記が紹介されていたのですよ。二年前の話なので、「旅烏は何を今更取り上げているんだ」、という感じなんですが(笑)。
内容はというと、学校のホームページで校歌を流そうとしたら、JASRACから使用料を求められそうになった、という話なんですが。
まあ、結果、金を取られることは無かったみたいで、それはなによりなのですが(でも、例外的な扱いだそうです)。


で、校歌といえば、夏の甲子園。
校歌をJASRACに登録している例は少ないでしょうが、その作詞家・作曲家がJASRACに登録しているという例は、少なくは無いでしょう(上記の例もそうだったようです)。確か、どこぞの学校にユーミンが校歌を提供したって話も、昔あったよなあ。
高校野球の大会といえば、野球文化の振興という面での役割が大きいですが、入場料はとってますし、飲み物やかちわりも売ってますし、甲子園球場は高校野球大会が開催されることで、一種のステータスを確立しているともいえますし、営利目的じゃないとは言いがたいですよね。
いや、調べてないからわからないんですが、JASRACは高校野球大会における校歌の演奏については、使用料を請求しているのでしょうか?
誰か、知っている人がいたら教えてください。ていうか、これはとらない方がおかしい気もするから、とってると思いたいんだけどなあ、使用料。

posted by 旅烏 at 04:19| Comment(5) | TrackBack(1) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年07月25日

「太陽の塔」読了 或いは洛北マジックリアリズム

森見登美彦「太陽の塔」読了。第15回日本ファンタジーノベル大賞 大賞受賞作品。奥付を見たら第2刷。売れているのね。めでたいことだ。

軽快でひねくれていてユーモア溢れる文章は、いわゆるテキストサイトの影響なんかを感じさせる。特に序盤のあたり。
で、基本的には、大学「5年生」が、風変わりな、しかしいかにもありそうな日常を過ごす様を追った作品。
途中まで「確かに面白いけど、なんでファンタジーノベル大賞なんだろう?」と思っていたのだけれど、読み終えてみたらなるほど、これって、いわゆる京都を舞台にしたマジックリアリズムって奴なのだな。
森見登美彦を、勝手に「洛北マジックリアリズムの雄」と呼ぶことにしよう、うん。

ストーリー自体は至ってシンプル。簡単にまとめると、ひとりの青年が世界と和解する様子を書いた話だとも言える。読後感よし。オススメっす。
posted by 旅烏 at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年07月21日

6月は洋楽に加え邦楽まで売れなくなったらしい

明日も早いし、寝ようかと思ったら、造反有理さんでRIAJが6月度の生産実績を公開していたことを知った。
うちでもこちらのエントリーで、5月の生産実績も取り上げた手前、6月の生産実績も取り上げてから寝ようと思う。
で、以前に5月の生産実績をみて、どんなことがわかったかというと…
(※以下、文中で記す「前年比」とは、全て金額ベースのものです)


・邦楽に関しては5月のみでみても、5月までの累計で見ても前年並み。

・洋楽に関しては、3月までは好調を維持していたものの、4月から売上が下がり(前年比89%、累計では100%)、5月はその傾向に拍車がかかった(前年比80%、累計で96%)。


さて、6月はどうなったかというと…


邦楽が前年比73%と大不振。特にシングルは前年比68%と、落ち込みがひどい(アルバムは前年比75%、こちらもひどいが)。累計もシングル・アルバム総合で95%と、前年を一気に割り込んだ。

・洋楽シングルは前年比36%(5月度は前年比68%)。5月までは前年を上回っていた累計でも(1〜5月前年比112%)、とうとう前年比89%と、大きく前年割れ。

・洋楽アルバムでは5月度単月の前年比が80%、6月度単月の前年比が73%と、こちらも売上の低落傾向に歯止めがかからない

・洋楽総合だと、6月の前年比73%(5月度は80%)、6月までの累計で91%(5月までの累計で96%)。



まとめると、6月は、洋楽はより一層売れなくなり、邦楽は一気に売れなくなった月だった。
なぜだ?
6月といえば、輸入権の創設で一部のヘビーリスナーの反感が頂点に達した月だが、それはきっと偶然だろう。ねえ?

いや、おかしいだろう。6月に入り、一気に違法コピーが増えたわけでもなかろうし、6月に入り、一気に音楽配信がシェアを拡大したわけでもあるまい。
本当、なんで売上が下がったんだろう?
不思議だねえ。そうは思わないかい、みんな?


いや、私自身は、不思議なことに、ちっとも不思議だと思えないんだけれども(笑)。
posted by 旅烏 at 23:01| Comment(11) | TrackBack(5) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

寝る前に2題

寝る前に、ふたつ。

ひとつは、2ch経由、更にASTRALPHASIAさん経由、東京新聞発。
作家の倉阪鬼一郎氏が、レコードの輸入権に関するコラムを東京新聞に書いたという記事。
実際の記事は参照先のサイト様をご覧いただくとして、倉阪氏といったら、ジャパニーズホラーの実力派のひとり。いいねいいね。
もっと、メディアへの露出が多い作家さんも発言して欲しいものだ。まあ、室井佑月氏には期待してないけど。

もうひとつ、gomashio.jpさん経由、ITmediaの記事「音楽業界、『ブラックリスト』でP2P企業を孤立化」。
レコード会社が、P2P企業の取引先に個別に圧力をかけているという話。
アメリカのレコード会社にも馬鹿がそろっているという、そういう話です。
何度かこの日記でも書いたことですが(このBlogは、一応日記なのです(笑))、本当に、潜在的な購買層を育てるという意識が欠けているんだなあ……

それでは、おやすみなさい。
posted by 旅烏 at 02:38| Comment(2) | TrackBack(3) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年07月20日

「著作権法改正における関係者間協議に関する質問趣意書」って、長いわっ!

著作権法改正における関係者間協議に関する質問趣意書

……長いね。
これは、川内議員が文化庁著作権課に対して出した質問書ね。
で、これに対する回答が返ってきた、と。
それをアップしてはるのがThe Trembling of a Leafさん。

で、長い上に読みにくいことこの上ない文章なので、一問一答形式で、口語で、ざっくりとまとめてみようかなと思います。



Q:レコード協会と経団連の両方にavex依田氏が食い込んでいるわけだけどさ、これって、関係者間協議がレコード業界の言いなりになりそうだなとか思わなかった?
A:思わなかったなあ。


Q:今後はさ、今回みたいに、関係者間協議に参加する団体が偏るのを防止したり、消費者団体を加えたりする必要があると思うんだけどどう?
あと、「著作家団体」みたく、実際どういう団体が協議に参加しているのかわからなかったりしてさ、外からみててすげえわかりにくいんだけど、どうよ?
A:ええ、がんばります。(??)


Q:今回さ、もう根拠がぐったぐたの、レコード協会主導のお手盛り市場調査がでたじゃん? あれってまずくない? もうさ、協議に参加してる団体共同で、外部の調査機関に依頼してさ、きっちり数値の提出もしてもらって、公平にやったほうがよくない?
A:いや、レコ協の調査だからって、いいかげんとは限らないじゃん。まあ、今後もしっかりと調査をがんばりますよ。

(まあ、実際はご存知の通り根拠薄弱な調査だったわけですが。と、これは管理人の独り言)


Q:あと、本の貸与権ね。コミックレンタル有志の会が、あんたんとこの課長宛になんども意見書を送ってるんだけどさ、今日に至るまで「受け取りました」っていう受領の返事すらないんだよね。なんでさ?
確かに、協議を開始したときにはコミックレンタル有志の会って無かったみたいだけどさ、そのあと、結成して、意見書送って、協議に参加したいとも言ってるわけっしょ? なんで参加させないのさ?
A:確かに意見書はもらってるし、分科会の場や国会の場には資料として提出しましたよ。
あと、協議が始まった後に参加した言っていってきた団体については、今後もケースバイケースで参加できるようにしていくっす。

(これ、なんで今回参加できなかったかについては、一言も答えていないね


Q:業界団体じゃなくてさ、消費者団体が協議に参加したいって言ってきたときはどうするの? 今回の場合だと、日本生活協同組合連合会や全国消費者団体連絡会なんかは参加すべき資格があったと思うんだけど。
A:うん。消費者も大事。だから、法制問題小委員会には参加してもらったし、分科会の報告書について意見募集もやったよ。

(しかし、分科会には消費者の参加はなし。法制問題小委員会にもわずか2名の参加。しかもオブザーバーだかなんだかっつう立場。おまけに「意見募集はパブリックコメント募集とは違うから」とかいって、募集を通常一ヶ月のところを2週間で打ち切り、「文化庁にはよせられた意見は置いてあったから、隠してたわけじゃないよん」と言い張っているのは、これまでの国会審議で明らかになったとおり)


Q:協議の結果、まとまらずに流れたことって、過去にあるの?
A:ああ、協議会を全部把握してないからわかんねえけど、版面権についての協議は1年以上中断してるなあ。


Q:過去五年間に、1年以上協議が中断している例があったら全部教えて?
A:上記の版面権がそうだね。


Q:前に小泉総理がくれた答弁書でさ、「関係者間の意見が、こないだの協議での合意と矛盾してるかもしれないから、関係者を経由してその意見をもういっぺん聞いて、『いや、矛盾はしてないよ』って確かめた」ってあるじゃん。これってさ、関係者を通すと、意見を歪められたりするかもしれないじゃん。
経由するんじゃなくて、著作権課が直接確認しないとまずいんじゃない?
A:適切に対処していきたいっす。

(なんのこっちゃ?)


Q:関係者間の合意が独禁法に触れないかどうか、公取委にチェックしてもらうのを義務付けてもらったほうがいいんじゃない?
A:適切にしていくから、義務付ける必要はないでしょ。



以上、長かったなあ(笑)。
「なんか、文化庁からの回答が、やけにおざなりに省略されてない?」と思う方もいらっしゃるでしょうが、実際におざなりな回答しか返ってきてないんだから、勘弁してくれ(苦笑)
あれだ、要するにこれまで繰り返してきた言い訳を、また繰り返しただけだ。
これで通用すると思っているのだから、恐れ入る。よっぽど舐められてんだな、俺ら。
posted by 旅烏 at 23:17| Comment(16) | TrackBack(10) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

所用果たせず

ちょっと用があったので、久しぶりに街へ出たのだけれど、結局目的は果たせず。本を3冊買って帰宅。何しに行ったんだか……

「太陽の塔」森見登見彦(新潮社・日本ファンタジーノベル大賞受賞作)
「スケアクロウ vol.1」マシュー・ライリー(ランダムハウス・講談社)
「アフォーダンスと行為」佐々木正人・三嶋博之 編(金子書房)


「太陽の塔」を読み始めたのだけれど、文章がなじみやすいというか、読みやすいというか、テキストサイトみたいな文章を書く人だ。でも、日本ファンタジーノベル大賞は笑えるだけでは取れる賞ではないので、楽しみ。
「スケアクロウ」はオーストラリアの小説だそうなんだけれど、作りが面白い。大きさは四六版なのに、ペーパーバッグみたいな作りをしている(あれだ、コンビニで売ってる廉価コミックみたいな作りなんだ)。その代わりに価格をぐぐっと抑えて500円也。こういう売り方も大いにありでしょうな。こういう本がもっと増えてもいいと思う。
posted by 旅烏 at 21:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 購入した書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

素敵なイントロっつうのも多い

イントロの話。
といっても、ドレミファドンみたいな話ではなくて。
いや、アルバムの一番最初に収録されている、アルバム全体のイントロってありますよね。
大好きなイントロっていうのも、多いわけで、それこそ、イントロだけ何回もリプレイしてしまうような。
そんなイントロを、いくつか挙げてみようかな、などと。


まずは、元ORGANIZED KONFUSIONのPHAROAHE MONCHのソロアルバム“Internal Affairs”のイントロ。
プロデュースはDJ SCRATCH、カットはあのDJ TOTAL ECLIPSE、ラップはもちろんPHAROAHE MONCH本人という、無駄に豪華な面子で作られた代物。
DJ SCRATCHによるトリッキーかつ高揚感を煽るファンキーなトラック、DJ TOTAL ECLIPSEによる攻撃的なスクラッチ、PHAROAHE MONCHによるラップも、キング牧師の演説を引用したりするあたり貫禄たっぷりです。
このアルバムからは“Simon Says”というヒットも生まれていますが、こちらのイントロの方が好きだったり(笑)。聴けば聴くほど、こちらのテンションが挙がってくる、見事なイントロです。


続いてはBLACK SHEEPの1st“A Wolf In Sheep's Clothing”の1“Intro”と2“U Mean I'm Not”。クレジットとしては2曲扱いになっていますが、実質は二つあわせて一つのイントロを構成しています。最初に聞いたときは爆笑しました。
ハードなイメージが氾濫していた当時のシーンへのカウンターとして登場したネイティヴ・タン一派。その一翼を担った彼らですが、イントロでは実に仰々しい、重ーい感じで、自分たちがネイティヴ・タンであることを宣言しています。ん? なんかおかしいぞ?
で、続いて、いかにも「ラフでタフ」な感じのトラックに乗せて、声の限りにがなりたてて……というところで目を覚ますわけです。
どうしたんだ?
いや、ひどい夢を見たよ。
ひどい夢って、どんな夢を見たんだ?
俺が「ハード」になってる夢を見たのさ(I dreamed that I was HARD...)


最後は、RHYMESTERの名盤“リスペクト”のイントロ。登場するのはファンにはおなじみ、SUPER RHYMESTERであります。しかしてその実態は、ボーカルに処理をかけて甲高くしただけなんですが(笑)。
のったりとしたトラックにのって、「電波が遠いから、もっとヴォリュームを上げてくれ」と要求し続けるだけのイントロです。
出来るだけ大きな音で聴いてくれよ、ということですね。
最後は、アルバム本編に入る時間になってしまい、「あ! でもやっぱりヴォリュームを……」と言いかけたところで、イントロが終わってしまいます(笑)
posted by 旅烏 at 13:59| Comment(7) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「この番組は、自由民主党の提供でお送りいたします」

若旦那の独り言2004さん経由で、毎日新聞の記事「放送法:自民が改正を検討 政治的公平の削除狙う」をご紹介。
簡単に言うと、自民党主導のチャンネルを作るのに放送法が障害になるから、放送法を改正して、政治的に公平でなくてもいいようにしよう、というものだ
社民党のような小さい政党と、金を持ってる政党との格差がますます広がる懸念や、放送免許の交付・更新の関係から放送局に対する政権政党の影響力が不当に強まり、公的権力の監視能力がより一層弱くなってしまう危険性が既に指摘されている。
これは大げさでもなんでもなく、独裁へ直接的に繋がる法案のように私には思える。
アメリカでは既にそういう改正が行われているとのことだが、二大政党制が長く続いており、政権の交代による自浄作用も期待できるアメリカと、与党側が過半数を背景に強行採決を行い、批判的な報道が頻出すると放送法を改正して自分たちの言い分のみを放送できるようにしようとしている日本とでは、あまりに状況が違いすぎる。
posted by 旅烏 at 12:58| Comment(4) | TrackBack(3) | 日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

日本コロムビアCEO廣瀬氏は踊る

造反有理さんのエントリー「価格紊乱者」より。
日本知財学界ってのがあるそうで(まあ、超心理学の学会だって存在するんだから、どんな学会があってもおかしくない)、そこの主催で行われたシンポジウムの内容を、造反有理さんが紹介されているわけである。
ここでの、日本コロムビアCEO廣瀬氏の発言が奮っている。詳しくは造反有理さんのエントリーを読んでいただくとして、音楽文化の形が不可避に変わることを前提として受け入れ、さらにその先を見据え、音楽文化全体にかかわっていこうとする氏の姿勢は実に頼もしい。なんでも、氏は渋谷界隈最高齢クラバーでもあるそうで、CEO廣瀬 in da house,Y'allってな具合に違いない。

つまるところ、大切なのはより多くの人が音源を購入することではなく、普段から好んで音楽に触れようとする人口をいかに増やすか、いかに裾野を広げていくかということなんだろう。当たり前のことだが、いつだって潜在的なユーザー/リスナーの方が多いものだ。潜在的なリスナーを増やすこと無しに、音楽文化が振興することも、音楽コンテンツの売上が伸びることもありえない。現在のところ、既存のレコード会社の多くは潜在的なリスナーを減少させることに全力を尽くしている。今後のコロムビアに期待したい。
posted by 旅烏 at 12:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年07月17日

クラフトワークから妄想を広げてみる

ご存知の方も多いでしょうが、音楽配信メモさんによると、クラフトワークのリマスター盤が、もれなくCCCD化とのこと。わー、もったいねー。
というか、クラフトワークに興味を持つようなリスナーは、CCCDに手を出さない人も多いと思うんだがなあ、意図がよくわからん。まあ、市場に流通するものは全部CCCD化してしまえっていう、安易な発想なんじゃねーかなと愚考いたしますが。

こんな調子でどんどん意味の無いCCCD化が進んでいったら、嫌だなあ。
なんかの間違いでSTEELY DANがCCCD化されたら、笑いますな。当のFagenとBeckerの耳に届いたら激怒しそうだけど(笑)。STEELY DANの到達点のひとつである壮大な組曲“Aja”。あの曲の研ぎ澄まされた音が微妙にざらついた音で再発されたら、小規模な暴動が起こるぞ(笑)。
個人的には、A TRIBE CALLED QUESTやGANG STARRの過去の作品がCCCD化されたら、卒倒しますな。サンプラーを演奏すると形容されるATCQの音がいじられたり、ざらつき加減が絶妙なDJ PREMIERの音がいじられたりした日にゃあねえ?
傷やら反りやら錆やらでお気に入りのアルバムが劣化してしまったら、買いなおそうにもCCCDしか残っていない、そんな世の中にだけは住みたくないもんだ。
posted by 旅烏 at 04:34| Comment(3) | TrackBack(1) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

The Rootsの新譜と「あーんてあっぷ♪」と海猿と

出勤前、ちょっと早起きして、半ば無理やりThe Roots“The Tipping Point”を聴く。最近のThe Rootsっていうと、どうも難解な印象があったのだけれど、このアルバムは聴きやすい。“Illadelph Halflife”以降のアルバムでは一番のお気に入りになる予感。

本日は、2時間ほどのサービス残業。まあこんなものか。
帰り道、信号待ちで並んだ車が大音響でHIPHOPを流していた。聞き覚えがあるなと思ったら、MOPの“Ante Up”。うん。かっこいいよな。思わず車の中で隣の車に合わせて「あーんてあっぷ♪」と口ずさむ。
しかし、真夜中にピックアップでMOP流すってのも、嵌りすぎだよなあ。きっと中にはこわいギャングが乗っていて、うっかり煽ったりするとスウィングバイをくらって穴だらけにされるに違いない。くわばらくわばら。

家に着き、ぼけっとテレビを見ていると、映画「海猿」のCMが流れた。これがハリウッドの目に留まり、踊る大走査線みたくアメリカで公開されたら、やっぱりタイトルはシー・モンキーになるのだろうか。いっそのこと「12人の怒れる海猿」かなんかにして、テリー・ギリアムにメガホンを取ってもらってくれ。それなら観る。多分。
posted by 旅烏 at 04:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年07月16日

出社二日目にして愚痴

出社二日目にして、3時間のサービス残業を経験した。不思議不思議。
「今日はこういう作業をやります」という説明・連絡無しの残業である。本当、こういう、「どこまでやったら終わり」というゴールを説明されない残業はうんざりする。説明してくれりゃあ、随分と楽なんだが。
商品の価格変更に関する作業を行ったのだけれど、作業を進めていくと、「これ、閉店後じゃなくて、営業時間中にも出来たんじゃねーか?」という作業が続発。新入りがでしゃばることじゃないので黙っていたが、作業の仕切り・指示・見通しが甘いから、こういうことになる。
大体、三時間残業して「思ったより早く終わった」という言葉が出るような、その程度の見通しで作業されてもなあ。巻き込まれて残業するこっちは溜まったものではない。
まあ、私も昔は4時まで仕事して、翌日の朝8時半に出勤なんてのを日常茶飯事でやってましたがね。それだけに、こういう、回避できる残業ってのには、点が辛くなるのだ。
かくして家に帰ったときには4時をまわり、弁当箱と魔法瓶を洗うと、夏の空はもう白み始めてしまった。不思議不思議。
予想通り、今朝届いたCDを聴く時間は無いな。もう寝なければ。
ええと、今の心境を一言で表すとすると。

くそったれ。
posted by 旅烏 at 04:41| Comment(10) | TrackBack(0) | 日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年07月15日

わかつきめぐみ

「そらのひかり」わかつきめぐみ(白泉社)

いつもの事ながら、空気の柔らかいお話。
クセのある中高年を画かせると、本当にうまいですな。
posted by 旅烏 at 11:50| Comment(5) | TrackBack(0) | 購入した書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

THE ROOTS、COPYWRITE

出勤前にAmazonよりCDが2枚の本が一冊届く。
ここんとこ、ストレス解消のために散財気味。8月末まで、CDも本もそうは買えなくなっちゃったな。

The Tipping Point/THE ROOTS
The High Exhaulted/COPYWRITE

まだ聴けていないんだけど、帰って来たら聴いてみよう。時間があったら。今日は時間ない気もするけど。
posted by 旅烏 at 11:45| Comment(16) | TrackBack(0) | 購入したCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年07月14日

もう一度メールしてみた

以前、こんなメールを何人かに送りました。内容は、レコード輸入権に解する著作権法の改正について、どう考えているか質問するものです。
福山哲郎議員からは、素早いご返信をいただいたのですが、それも具体的に内容に触れたものではなく、すぐに選挙期間に突入してしまったこともあるのでしょう、その一通以外は、返事は来ませんでした。

ご存知の通り、先日参議院選挙が終わりました。私の住んでいる京都からは、福山哲郎議員(民主党)と、二之湯智議員(自民党)の二人が選出されました。
選挙は終わり、公職選挙法に引っかかることも無いでしょうから、ほぼ同内容のメールを、再びこの二人の議員の事務所に送信いたしました。
どんな返事が返ってくるのか、はたまた返ってこないのか、楽しみです。
posted by 旅烏 at 21:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年07月13日

SF小説の話をふたつ

SF小説の話を二つ。

8月10日、「ダーティペアの大復活」が刊行予定とのこと。
あくまでダーティペア。後ろにFLASHはつかない。
ダーティペアは、小学生の頃にアニメを見ていて、そのまま貪るように「ダーティペアの大冒険」「ダーティペアの大逆転」を読破し、そのうちに「ダーティペアの大乱戦」も出て大喜びし、「ダーティペアの大脱走」でテンションがダウン。FLASHの一作目でギブアップし、以降は未読。
とはいえ、小さい頃の思い出の作品の復活なので、今回は買ってみよう。
小説もあったのか。読んでみようかなーという奇特な方は、最初の三冊をオススメ。
ちなみに、個人的には断固として土器手版。
映画まで見に行ったっちゅーねん。


もひとつ。
ハヤカワ文庫SFの話。
最近シリーズ物の刊行ばっかりだなーと思って、ここ1年(2003年7月〜2004年6月)の発行点数を調べて見た。
29点中、24点がシリーズ物。
実に82.75%。
なんだかなー。
海外SFなんか読む変わり者は、シリーズなんぞ大して興味ないと思うのですよ。主たる読者層を読み間違えているというか。
シリーズ物を否定するつもりなんざ毛頭ありませんが、いくらなんでも偏りすぎでしょ、こりゃ。
これだけシリーズ物を刊行して、一番話題になったのが、非シリーズ物のテッド・チャン「あなたの人生の物語」であるというのも、なんともなあ。
同じハヤカワでも、JAやFTだと非シリーズ物の作品を刊行してるし(「マルドゥック・スクランブル」「第六大陸」「デスタイガー・ライジング」は、シリーズってえより分冊でしょ。「クレギオン」の復刻はシリーズ物だろうけど。FTでは<プラチナ・ファンタジー>で、現代ファンタジーにスポットを当ててるし)、Jコレクションでも、若手(除く、飛浩隆)の長編を意欲的に刊行してるんだから、同じことをハヤカワ文庫SFでもやりゃあいいと思うんだけどなー。
シリーズ物をガシガシ刊行するなんていう、手垢のついた方法を取ったところで、新しい読者を獲得できるとも思えないし。
posted by 旅烏 at 20:14| Comment(2) | TrackBack(1) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年07月12日

選挙は終わったが忙しいぞ

参院選、終わりましたね。
自民、公明あわせて何とか改選前の議席数を確保しましたが、今回の改選は、橋本内閣が惨敗を喫して退陣した時のものなので、自民は実質負けであるという声も。改革を謳って来た小泉内閣をもってしても、前回の惨敗から議席を回復できなかった、と見るわけですな。
輸入権関係でちょこっと見ていきますと、著作権法改正案の参院での全会可決後、「気がつかずに賛成しちゃった。ごめん」と各方面に謝った中村敦夫議員は比例区より出馬。個人としては16万票を獲得したものの、「みどりの会議」としては議席を獲得することが出来ず、落選です。
レコード輸入権に積極的に反対をした民主党ホームエンターテイメント議員連盟では、比例区の円より子議員は当選。副会長である海野徹議員は落選して議員ではなくなりました。

さて、これから忙しくなりますね。
レコード輸入権や知財の問題は、今回の選挙では決して大きな争点とは言い難かったわけで、この問題を意識しないまま選挙運動をした候補が多いに違いありません。新人候補なんか特に。
そういった候補にメールやファックスでレコード輸入権の問題や著作権の問題を訴え、「こんな問題があるんだ」と、意識してもらうことが、今後に繋がると思います。
選挙も終わりましたので、公職選挙法の縛りも無くなり、返事も来易いでしょう(これで返事が来なかったら、もうバッシングしちゃって良いと思うぞ)。
選挙も終わり、再びこの問題を浸透させる段階に入った、と考えますが、どうか。
posted by 旅烏 at 12:23| Comment(0) | TrackBack(3) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年07月11日

小川一水を読んで過ごした一日

小川一水「導きの星」と「ハイウイング・ストロール」をひたすら読んで過ごした一日。
やっぱり面白かったわー。地球外文明を扱った大長編の「導きの星」と、気軽に楽しむべき航空SF「ハイウイング・ストロール」。
性善説的というか、楽観的というか、そんなところから来るであろうご都合主義的なところや、いわゆる「萌え」が鼻につくところなんかもあるのだけれども(もちろん、鼻につかないところもある)、それを補って余りある面白さがあるなー。
ハードSFかくあるべし、というか。世界観の根底に技術観があるあたり、クラークからの流れを感じたりもして。
海洋SF「群青神殿」も、ヘリコプターによる人命救助を扱った「回転翼の天使」も、非常にエキサイティングで面白かった。もう何冊か積んであるので、続けて読んでみよう。楽しみ。
この人と同い年なんだよなー。なんだか嬉しくなりますね。
posted by 旅烏 at 20:02| Comment(1) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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