2004年08月31日

ジーン・ウルフ

「ケルベロス第五の首」ジーン・ウルフ(柳下毅一郎 訳)/国書刊行会


レムコレクションはマダー?(AA略)
posted by 旅烏 at 02:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 購入した書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

華氏451度

華氏911を見に行こうと思いつつ、今日も貴重な休日が終わってしまったわけですが、そのタイトルの元ともなったブラッドベリの「華氏451度」を、ちょっと前に読み終わりまして。
なんかあれだ、警句の塊のような作品だな。
ちょっといくつか引用してみましょうか。全てハヤカワ文庫NV「華氏451度」(宇野利泰 訳)によります。


それが二十世紀になるとカメラのうごきがすばやいものになる。本だって、それにつれて短縮され、どれもこれも簡約版。ダイジェストとタブロイド版ばかり。すべては煮つまって、ギャグの一句になり、かんたんに結末に達する


ダイジェスト版のダイジェスト版、そのまた、ダイジェスト版。政治問題? そんなものは一段でよかろう。二行もあればたくさんかな。なんなら、見出しだけにしておくか。どうせ、みんな、消えてなくなることだ! 人間の思考なんて、出版業界、映画界、放送業界――そんな社会のあやつる手のままにふりまわされる。不必要なもの、時間つぶしの存在は、遠心力ではねとばされてしまうのが運命なんだ!


いよいよ数すくなくなった少数派には、自分たちのことを自分たちで処理してもらわなければならぬ。つまらんことを考える著者には、タイプライターをしまいこんでもらう。そして、事実、そういうことになった。雑誌はヴァニラ・タピオカのみごとな混ぜあわせになり、書籍は、気障な批評家どものことばを借りれば、皿を洗った汚れ水みたいなものになった。これもやはり、批評家連中のことばだが、本が売れなくなったのに、なんらふしぎはないんだ。もっとも、大衆は自分たちの好きなものを知っているから、陽気に立ちまわりながら、漫画本だけはのこしておく。立体的《性》雑誌はもちろんのこる。


これはけっして、政府が命令を下したわけじゃないんだぜ。布告もしなければ、命令もしない。検閲制度があったわけでもない。はじめから、そんな工作はなにひとつしなかった! 工業技術の発達、大衆の啓蒙、それに、少数派への強要と、以上の三者を有効に使って、このトリックをやってのけたのだ。今日となっては、むしろかれらに感謝しなければならない。おかげできみたちは、このように幸福でいられるんだ。連続漫画は見られるし、古い時代の懺悔録と業界新聞にだけはこと欠かない



「華氏451度」は、書物を所持することすら違法になってしまったディストピアを舞台に、違法な書物を焼く焚書官(Fire man)を主人公に据えたSF文学の傑作のひとつ。
ブラッドベリはこれを1953年に書いていた。すごいね。
posted by 旅烏 at 02:32| Comment(1) | TrackBack(0) | 日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月30日

著作権分科会法制問題小委員会があったそうな

著作権分科会法制問題小委員会があったそうで、造反有理さんが著作権分科会法制問題小委員会(第1回)の概要というエントリーで傍聴メモをあげてらっしゃいます。
いや、なんか難しいこと話てんなー。腰すえて読まないと、なんのことやら全くわかんないわ(笑)。
第1回であった今回は自由討論ということなので、まあ、わかりにくいのも当たり前っちゃあ当たり前なんですが。
関係団体から要望として挙がって来易い、緊急避難的な問題ばかりが取り上げられがちで、著作権法の根幹にかかわるような問題が後回しにされがちだという問題意識が委員の間でもたれているのがわかったってのが、個人的には面白かったっすね。
posted by 旅烏 at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 出版業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

組織ってか

Unforgettable Daysさんのエントリー、Free Music Watchdog:「文化庁への要望事項」を斬るってのが、わが意を得たりというかなんというか。
北中正和、石川真一、高橋健太郎の三氏が文化庁へ、レコード輸入権の運用に関する要望を伝えたことは、うちでもこちらで取り上げたんですが、正直、躊躇してしまった部分がありまして。
それが「レコード輸入権の行使がどのような状況になっているかを判断する手助けになりえるもの」とか「これが音楽ファン主導で作られた要望だったら完璧なんだけど」とかいう表現になったわけですが、いやはや、我ながらなんとも情けない話で。反省します。
私はUnforgettable Daysさんと違って、要望の内容に不満はないっす(というか、あくまで判断材料の1つに過ぎないと思っているんで。しかし、要望に含まれる問題点を検討するという作業は必要だと思います。出来ればわかりやすい文章で。Unforgettable Daysさんの文章も私の文章も必ずしもわかりやすいわけではないので(笑))。
ただ、この要望が「音楽関係者および音楽ファン」の要望として提出されていることに関しては、私も同じく違和感を持ってしまうのですよ。
「こんな要望を出そうと思うんだけれど、皆さんどう思う?」という手続きを踏んだ上でのことならば、別に問題ないと思うのですが。そのために使うことができるBlogというツールも手にしているわけですし。
私は、この要望というのが、音楽関係者としての要望だとして出されるべきものだったと思いますし、その意義自体はあると思うんですがね。音楽ファンの要望じゃないでしょう、と。
内容的にはともかくさ、この三氏が音楽ファンに相談してるってのも寡聞にして知らないし、要望を出した三氏とも音楽関係者だしさ。
私の知らないところで(例えばメーリングリストとかでね)音楽関係者以外の音楽ファンに相談したってこともありえるでしょうが、だったら、それを明らかにするべきなんで、そういったことはなかったと考えていいでしょう。
要はアレだ。「『音楽ファンからの要望』ってえけど、俺たちゃ相談された覚えはないぞ?」ってね。
ちょっと勇み足だったんじゃないですかねえ?


追記:当のUnforgettable Daysのエントリーに、当の高橋健太郎氏がコメントを寄せていて、私としてはなんとなく合点がいった。ああ、なるほど。文化庁には、この要望というのが、何かを代表してのものではないってことを、きちんと伝えてあるわけですな。だったら、大して問題はねえわな。
それでは、「だったら『有志が、様々な人の意見を参考にした要望を文化庁に伝えました』みたいな表現の方が、誤解がなくていいと思う」と、改めて指摘させていただきましょ。
実際、俺は早とちりしたし、この問題をよく知らない人(まだまだたくさんいるでしょ)には、もっとわかりにくいかと。
posted by 旅烏 at 19:38| Comment(2) | TrackBack(2) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月29日

兵糧責め!!!(爆笑)

寝ようと思ったのだけれど、陸這記さん経由で、あまりにも愉快な文章を見つけてしまった。

「タグ&パック」というサイトがそれ。
新刊コミックに防犯タグを埋め込み、パックして出荷してくれという要望を持つ書店のサイトだ。
この主張自体には、私、賛成である。
で、これに参加している企業が、コミックを出版している大手出版社に送った要望書というのがアップされているのだが、もう、引用しちゃうよ。引用。


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新古書店対策支援のお願い

株式会社 秋田書店代表取締役社長 秋田 貞美 様

株式会社 講談社 代表取締役社長 野間佐和子 様

株式会社 集英社 代表取締役社長 谷山 尚義 様

株式会社 小学館 代表取締役社長 相賀 昌宏 様

株式会社 白泉社 代表取締役社長 麻木 正美 様

謹啓 冷秋の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。また、日頃は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

1.書店店頭の実体

 さて、書店のロス率は急速に悪化傾向を強めており、収益を大きく圧迫しています。ロスの主要因の一つと考えられる窃盗は、以下のような顕著な傾向が出てきております。

(1) グループによる犯行

 一人の出来心による「万引き」ではなく、3人から4人のグループ窃盗団による組織化した犯行が横行してきています。

(2) 大量窃盗

 欲しい本を1冊「万引き」するのではなく、10冊、20冊、多い場合は60冊といった単位での大量窃盗が目立ってきています。

(3) 凶悪化

 窃盗犯を補導しようとした社員や警備員が、刃物で斬りつけられたり殴られたりする事件が多発してきています。

 昨今、かつて「万引き」程度であった犯行は、本気で組織的に確信犯として逃走車両まで準備して下見の上計画的に犯行に及ぶ窃盗団、状況によっては強盗団に豹変する犯行にシフトしつつあるのが偽らざる実体です。そして、その背景には本が手軽に換金できるようになってきた状況があります。この元を絶たなければ、深刻化する犯罪を防ぐことはできません。
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確かに万引きってのは由々しき問題で、その点は新古書店側も考えなければならない。まあ、考えていないわけではないのだけれども。
でな、笑えるのはこの後からだ。


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2.ソースタギングで新古書店を兵糧責めする

 新古書店の目玉商品はコミック新刊です。この入手の可否が新古書店盛衰の鍵といわれています。そのため、新古書店は売れ筋コミック新刊を定価の半値以上の高値で買い取り告知しています。ところで、新刊コミックを買われたお客様は、そんなに早くは手放されません。通常の古書になるまでの時間を待っていては、魅力ある新古書店を維持するのは難しいのが実情です。

 一方、書店では前述の通り売れ筋新刊コミックの根こそぎ窃盗が多発しています。新刊平台から1冊だけを残して20冊、30冊と大量窃盗されています。既刊本ではなく新刊が集中的に狙われているのが特徴です。

 「出たばかりの新刊コミックを何十冊も持ち込むのは怪しい。それを買い取ることは犯罪の助長につながる」というような新古書店の良心に期待することは、残念ながらできません。

 ここで、ソースタギングによりコミックを易々とは盗めない状況を作り出すことができれば、新古書店への新刊コミック供給源を絶つことができ、大きな打撃を与えることができます。



3.ソースパッキングで新古書店の商品と差別化する

 現状、新刊書店と新古書店のコミックには、何の差異もありません。同一商品ならばより価格の低い新古書店を選ぶのが自然な流れです。

 ところで他の商品、例えばCDでは、新品と中古品では明らかな差異があります。新品はきっちりパックされ封印されています。中古品はパックが開けられており、一目で中古品と認識できます。メーカー段階での機械による綺麗な包装が、新品と中古品との明らかな違いを作り出している訳です。

 現状は書店段階でビニールパックなりシュリンクをしているわけですが、人手や経費の問題もあり、全ての書店で実施されているわけではありません。またそのクオリティーもまちまちです。

 メーカー段階でのクオリティー高いパック包装こそが、読者に「新古書店ではなく新刊書店で」購入する魅力を打ち出す鍵です。

 ソースタギングにより新古書店への新刊コミック供給源を絶ち、ソースパッキングにより商品自体を差別化することで、新古書店の経営に大きな打撃を与えることができます。その上、青少年の健全育成、書店の生産性向上にも大きく寄与し、業界にとっても社会にとっても有効で有益な施策となることでしょう。

 新刊書店の窮状にご理解賜るとともに、是非とも大所高所からご検討いただき、新古書店に対する抜本的な対策とコミックの更なる拡売、業界全体の生産性向上を可能とするためのご英断を賜りますよう衷心よりお願い申し上げます。



敬白


2001年11月9日

旭川市 株式会社旭川冨貴堂 代表取締役社長 志賀 博
大阪市 株式会社旭屋書店 代表取締役社長 早嶋 茂
江東区 株式会社アシーネ 代表取締役社長 魚橋悦造
福島市 株式会社岩瀬書店 代表取締役社長 岩瀬太一
福井市 株式会社勝木書店 代表取締役社長 勝木伸俊
渋谷区 株式会社紀伊國屋書店 代表取締役社長 松原 治
仙台市 株式会社金港堂 代表取締役社長 藤原 直
高知市 有限会社金高堂書店 代表取締役社長 吉村浩二
八王子市 株式会社くまざわ 代表取締役社長 熊澤 健
多摩市 京王書籍販売株式会社 代表取締役社長 奥島博之
尾道市 株式会社啓文社 代表取締役社長 手塚弘三
千代田区 株式会社三省堂書店 代表取締役社長 亀井忠雄
名古屋市 株式会社三洋堂書店 代表取締役社長 加藤和裕
岐阜市 株式会社自由書房 代表取締役社長 篠田元弘
名古屋市 株式会社正文館書店 代表取締役社長 谷口正明
豊橋市 株式会社精文館書店 代表取締役社長 木和田泰正
中央区 株式会社千代田書店 代表取締役社長 山口達郎
盛岡市 株式会社東山堂 代表取締役社長 玉山 哲
墨田区 株式会社東武ブックス 代表取締役社長 渡辺 勲
相模原市 株式会社中村書店 代表取締役社長 中村宣勝
松山市 株式会社明屋書店 代表取締役社長 安藤大三
町田市 株式会社久美堂 代表取締役社長 井之上賢一
水戸市 株式会社ブックエース 代表取締役社長 中村昭彦
松江市 株式会社ブックセンター今井 代表取締役社長 田江泰彦
千葉県美浜区 株式会社ブックバーン 代表取締役社長 柿内宏一
山口市 株式会社文榮堂 代表取締役社長 菅原公夫
川崎市 株式会社文教堂 代表取締役社長 嶋崎欽也
長野市 株式会社平安堂 代表取締役社長 平野瑛児
津市 株式会社別所書店 代表取締役社長 別所業啓
豊橋市 株式会社豊川堂 代表取締役社長 高須博久
名古屋市 株式会社星野書店 代表取締役社長 星野克幸
高松市 株式会社宮脇書店 代表取締役社長 宮脇富子
横浜市 株式会社有隣堂 代表取締役社長 松信 裕
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兵糧責め!!!


>新古書店の目玉商品はコミック新刊です。この入手の可否が新古書店盛衰の鍵といわれています。

いや、そこまで重要視も…まあ、会社によるでしょうが。むしろ、高価買取の対象になっていない古本の売上が鍵を握っているんだけれど。



>ところで、新刊コミックを買われたお客様は、そんなに早くは手放されません。通常の古書になるまでの時間を待っていては、魅力ある新古書店を維持するのは難しいのが実情です。

おいおい、「通常の古書」ってなんだよ(笑)。
大体、最新刊を重要視しすぎ。自分たちがそれに依存した売場構成してるってのはわかるが、新古書店も同じ目線で見てくれるな。



>「出たばかりの新刊コミックを何十冊も持ち込むのは怪しい。それを買い取ることは犯罪の助長につながる」というような新古書店の良心に期待することは、残念ながらできません。

良心なあ……
所詮、現場に出ていない人の言い草だわな、これ。
逆に聴きたいが、どうやって断ればいいんだ?
「お持ちいただいた商品は盗品の恐れがありますので……」とか言うのか? まさか!
怪しい買取に関しては、身分証で身元を確認し、さらに買い取った商品の詳細な記録を残し、同じ商品を同一人物が持ってきた際には買取を断り……と、他にできることがあったら、これは本当に教えて欲しい。職場で提案してみる。いや、本当に。
もって行かれる万引きも見つけるのはとても難しいが、それを持ってこられるとね、これが盗品であると証明するのは、とんでもなく難しい。
証明できたら、喜んで警察に通報するよ。
実際、保証書に当日の日付が押されたゲーム機を持ってこられたことがあってな。そのときは電気屋に電話して、販売履歴を確認してもらったわ。履歴があったんで仕方なく買い取ったけれども(なんでも、5台ほどひとりで買ったらしいわ。クレジットの焦げ付き前に換金目的で大量購入って奴だな)、正直、ああいった買取は気持ちがいいものじゃない。
前にも書いたけど、小売の人間は、万引きが死ぬほど嫌いなんだよ。法が許すなら殺してやりたいくらいだ。
関係ないけど、以前店の外に新刊コミックの帯とパックが、何十冊分捨てられていたことがあってなあ。頭にきたんで、現場の写真とって、警察に連絡して見てもらって、捨てられていた帯のタイトルを全部記録して、警察に提出したことがあったわ。
だもんで、新刊書店の側で



>ここで、ソースタギングによりコミックを易々とは盗めない状況を作り出すことができれば

というのは、むしろ非常にありがたい話だ。
けどねえ……



>新古書店への新刊コミック供給源を絶つことができ、大きな打撃を与えることができます。

わはははは!
万引き犯からの仕入を当てにするようなくだらねえビジネスモデルなんざ、どこの会社もたてちゃいねえよ(笑)。
侮られたもんだなあ。



> ところで他の商品、例えばCDでは、新品と中古品では明らかな差異があります。新品はきっちりパックされ封印されています。中古品はパックが開けられており、一目で中古品と認識できます。メーカー段階での機械による綺麗な包装が、新品と中古品との明らかな違いを作り出している訳です。(中略)メーカー段階でのクオリティー高いパック包装こそが、読者に「新古書店ではなく新刊書店で」購入する魅力を打ち出す鍵です。

これなあ、本当にいいの?
現状、ほとんどのコミックが店頭ではパックされている訳だし、書店への負担を減らすという意味でいいとは思うんだけれど、本当に「新古書店対策」としてこれをやっちゃっていいのか?
消費者がそれを求めているとは思えないんだけども……



>ソースタギングにより新古書店への新刊コミック供給源を絶ち、ソースパッキングにより商品自体を差別化することで、新古書店の経営に大きな打撃を与えることができます。

本気でそう思っているのかなあ?
だとしたら、正直、馬鹿だとしか思えないけれども。
それともあれだ、書店の社長ってのは馬鹿が多いのか? 教えてくれ、書店員の人。
それとも、新古書店をダシに使って、タグとパックをやってもらおうという戦術だろうか? そうだろうな。そうじゃなきゃ可哀想過ぎる。
ソースタギングは、どんどんやっちゃってくれるとありがたい。万引きは大嫌いだし、窃盗団ならなおさらだ。もう、ブッシュと同じくらい嫌い。
こちらも、万引きに頼るほど体力は低下しとらん。
ソースパッキングも、じゃんじゃんやっちゃってくれ。それで書店員さんの負担が軽くなり、魅力的な売場を構築できるのなら、その方がずっといい。
でもな、パッキングのできばえを気にするようなお客さんは、そもそも新古書店でコミックの最新刊なんか買わないと思うぞ(笑)。


しかし、新古書店店員に賛成される「新古書店に対する抜本的対策」って、いったいなんなんだよ(笑)
posted by 旅烏 at 08:29| Comment(3) | TrackBack(0) | 出版業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

六本木+ヴィレッジヴァンガード=?

以前、青山ブックセンターがその営業を停止し、それを一部の人たちが出版文化の衰退であるかのごとく大騒ぎしているのをみて、それに対して大いに文句を言ったことがあるんですが。
で、非常に特殊な市場であるところの「都心」を過大に重要視する傾向にも、大いに文句を言ったわけなんですが。
そこにこんなニュースです。ソースは昨日の日経新聞。ネット上では見つけられなかったんですけれども。
ヴィレッジヴァンガードの六本木ヒルズ店が撤退するとの事です。
この不況にもかかわらず、消費者の支持を集め、成長している書店も中にはあるわけで、ご存知の通り、ヴィレッジヴァンガードはそんな企業の1つですね。
既存店だけ見ても昨年より成長しているというのですから、本物の証です。六本木ヒルズの店も、昨年比で見ると5%伸ばしてはいるそうで(まあ、5%って、物足りない数字ではあるでしょうが)。
にもかかわらず撤退、です。
記事では、主な原因としてふたつを挙げていました。
ひとつは利用者の年齢が他店に比べ高かったことにより、いわゆる「ついで買い」が少なかったこと。
もうひとつは運営コスト高。
しかしですね、ヴィレッジヴァンガードは確かに若者から支持されている店だとは思うんですが、その品揃えを見てみると、ジャズのCDは置いてあるは、英米文学のマニアックなところは置いてあるは、美術書やら写真集やら、むしろ若者ではないところに対応した商品が多く置いてあるわけです。
品揃えや商品展開面で六本木のお客さんに対応した売場作りができなかった、ということはあるのでしょうが、その原因を「ついで買いの不足」のみに求めるわけにもいかないでしょうね。まあ、ヴィレッジヴァンガードの中の人は、そんなことは100も承知だと思うんですが。
要は、コスト高、及び何らかの要因でもって、利益が思ったほど出なかったってことなんでしょう。


で、あっさりと店をたたむことにした、と。
これが英断であると思うんですよ。
出店する意図からして、売上のみを狙ったものではなかったでしょう。その企業のブランドイメージを高める、フラッグシップ店としての役割を担っていたはずです。社内でどういった位置づけになっていたのかはわかりませんが、会社によっては社運をかけたプロジェクトとして扱われていてもおかしくありません。
それを、あっさりとたたんでしまった。わかってはいても、なかなかできることではありませんよ、これは。
結果的に旧来の形態にしがみつくことになり、営業を停止した青山ブックセンターとはまさに好対照です。

「ヴィレッジヴァンガードも撤退かあ。まだまだ不景気なんだなあ……」では済ませて欲しくないニュースですね、これは。
posted by 旅烏 at 05:57| Comment(5) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

神は見えざる手を動かし、公取委が戦闘態勢に入り、音楽配信は水面下で蠢く

既に各所で報じられておりますが、私が知ったのはThe Trembling oa a Leafさん経由でした。
公正取引委員会が再び、レコード会社へ立ち入り検査を実施、立ち入り検査を受けた企業は20に及びます。
先日の立ち入り検査はポーズではなかったということを示す出来事ですね。公取委、かなり本気のようです。


公取委が崇め奉るはただひとつ、市場原理のみなり。


公取委が再販制を目の敵にしているのはなぜか?
様々な理由があるのでしょうが、再販制が市場原理に真っ向から反するものであるというのも、大きな理由のひとつでしょう。
では、レコードや書籍が市場原理の外に置かれてはならないとする理由は何か?
それは、レコード(CD)にせよ、書籍にせよ、実はとっくの昔に市場原理の下に動いているからではないでしょうか。

市場原理に基づいたマーケティングを行い(まあ、そのマーケティングが当たっているかはまた別の話です)、大ヒットを狙った商品戦略をすることで、利益を生み出してきました。
(全ての、ではありませんが)多くのレコード会社、出版社が市場原理に乗っかり、生きてきたのです。
市場原理をいいとこ取りすることは不可能です。当然、市場原理から影響を受けます。
しかし、再販制によって価格競争は生じえません。では、どこに影響があったのか?


様々な影響があったでしょう。それが一番強く働いたのは、レコード会社に対してではありません。小売店に対してです。
レコード会社や出版社が建前で何を言おうが、書籍やレコードをどんどん消費されるべきものとして売り出してしまった以上、それを扱う小売店の間で競争が必然的に生じます。
各店とも、価格以外の面で凌ぎを削ってきました。それでうまくいっていた時代もあったのでしょう。
では、現在もうまくいっているのか。
答えは必ずしもイエスではありません。多くのレコード店、書店が姿を消していきましたし(それらの店の多くが、それまで地域のファンに応えてきた、欠かす事の出来ない存在であったでしょう)、それではとポイントカードによる値引きを導入しようとした書店が、様々な妨害を受けたらしい、というのも、漏れ伝わってくるところです。
かつては再販制が小売店をも保護している時代もあったのでしょう。しかし、現在ではむしろ逆になっているのではないかと見ます。
再販制によって、小売店は「価格での競争」という選択肢を奪われているのです。
どうも、ここで不公平というか、不釣合いというか、フェアではないような印象を、私などは受けてしまいます。市場原理からの影響のかかりかたが、小売とレコード会社・出版社では差がありはしないか。それが、著作物市場の構造的な齟齬、構造的な問題に繋がっているのではないか。そんな印象を受けるのです。
ぞんざいに言うと、小売店だけ損してるんじゃねえか? おまえらはどうなんだ? と。


さあ、ここにきて公取委が戦闘態勢に入りました。目的はおそらく、音楽配信事業に競争原理を導入すること。
競争原理、市場原理が不自然に働いた結果、需要がなくなってしまったわけでもないのに潰れかけている奇妙な業界を、私たちは少なくとも二つほど知っています。音楽業界と出版界のことですが。
今後、音楽流通の主流になるとも予想されている音楽配信も同様の末路を辿るか否か、その分水嶺ともなる重要な出来事だといえるでしょう。


と、高橋健太郎氏が自らのBlogでこんな発言


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でもって、再び、軽い情報リークをしていまいますが、日本での音楽配信については夏の終わりに、インパクト絶大なニュースが飛び交うでしょう。ムフフ。
ITMSの日本進出を首を長くして待たなくたっていいんです。そりゃあ、スティーヴン・ジョブスは天才だけれどね、でもね、アップルもまだやってないことを僕達が日本でやれるかもしれない。やりましょうよ、日本の音楽界発で、世界に先駆けて。この指とまれ、だ。
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詳細は不明ですが、何か起こりそうです。
個人的には、CDに未練たらたらですので、配信関係のニュースはこれまであえて取り上げてこなかったのですが、これに関しては、詳細が明らかになった際にも取り上げることになるでしょう。
そして、この新たな動きが、どのような考えの下に出てきたものなのか、考えてみることになるかもしれません。
posted by 旅烏 at 05:06| Comment(1) | TrackBack(0) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月27日

LIBRO

“三昧”/LIBRO

去年の夏に出ていたものを、偶然見つけたので慌てて買ったのだけれど、これはいい!
これの前作にあたる“音楽三昧”は、正直ピンとこなかったのだけれど、これはいい!
トラックはより深みっつうか、奥行きっつうか、そんなものを増している。
レゲエからの影響を強く受けた、抑揚豊かなフロウとテクニカルな押韻も健在。いつもよりもリラックスしている感じすら受ける。
今のところ唯一のアルバムである“胎動”も内省的ないい作品だったけれど、本作のように、そこに力強いポジティブさが加わった新しいアルバムが聴いてみたい、そんな気にさせてくれたっす。
posted by 旅烏 at 05:32| Comment(0) | TrackBack(2) | 購入したCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

everything is fair.

各所で取り上げられていますが、公取委が着うた事業において、レコード会社が新規参入の妨害などの疑いで立ち入り検査を行ったそうです。立ち入りを受けたのはソニー・ミュージックエンタテインメント、エイベックス、東芝EMI、ユニバーサル・ミュージック、ビクターエンタテインメントなどと各社が出資する配信会社のレーベルモバイル。
公取委といえば、先日、レコードの流通に関する懇談会(9月7日だそうです)を行うと発表したばかり。
ええ、フェアじゃない状況はガンガンぶっ壊しちゃってください。
posted by 旅烏 at 05:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

あなたを複製します

いずれもfacethemusicさんより。この日のfaceさんは他にも盛りだくさんです。

まずはITmediaで私的複製を巡る連載が始まったということ。まだ2回のみで、今後どのように展開していくのかはわかりませんが、私的複製やそれを巡る状況をテクノロジー面から見てみる、という感じですかね、いまのところ。

もうひとつ、CCCDは私的複製の権利を侵害するものである、という訴訟が、フランスでEMIとFnac(大手レコード店だそうです)に対して起こされたそうです。ITmediaによると、さらにワーナーに対しても訴訟を起こす考えを持っているとのこと。
さらに、音楽ショップのFnacは、CCCDで不利益を被ったリスナーに対して返金を行っていると、弱気なのもポイントですかね。対して、EMIはコメントなし。
フランスにおいても、リスナーvsレコード会社、レコード店vsレコード会社という構図が生まれつつある、ということでしょうか。

posted by 旅烏 at 05:12| Comment(1) | TrackBack(0) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

文化庁へ28項目の要望事項

Free Music Watchdogによると、北中正和、石川真一、高橋健太郎の三氏が、来年1月1日より施行されるレコード輸入権に関する政令、運用についての28項目にわたる要望を文化庁に伝えたそうです。
読んでみると、確かにこのように運用されたら、随分と風通しが良いだろうなと思える内容になっております。レコード輸入権の行使がどのような状況になっているかを判断する手助けになりえるものとなっておりますので、この問題に興味をお持ちの方はご一読を。
これが音楽ファン主導で作られた要望だったら完璧なんだけど、それは高望みって奴かな(笑)。
posted by 旅烏 at 04:55| Comment(1) | TrackBack(0) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

7月はレコード会社はがんばったらしい

遅くなりましたが、一応取り上げます。RIAJが7月のレコード生産実績を公表しました。
6月までの状況をおさらいしますと、洋楽に関しては四月より前年割れの傾向が続いており、邦楽に関しては、5月までは前年並みを維持していたものの、6月が大不振で一気に前年割れ、といった感じだったわけですが、さて、7月は?
(全て金額ベースです)

・邦楽は前年比91%と、散々だった6月に比べるとかなりの回復(まあ、前年には届いていないわけですが)。がんばったねえ。
7月までの累計では、95%と6月から横ばいの実績。

・関係ないが気になったのは、7月、数量ベースで見ると前年比87%と大きく落ち込んでいること。にもかかわらず金額ベースでは前年比91%。
まあ、少なくとも、邦楽は去年と比べて安くなってはいないようですな(苦笑)

・洋楽は前年比91%と、こちらも下げ止まったかたち(とはいえ以下略)。累計でも同じく91%。こちらも横ばい。
なお、数量ベースでは前年比101%と上がっているように見えますが、洋楽はシングルの生産量が去年に比べて172%と大幅に上がっているので、この影響も大きいでしょう。

・洋邦総合では前年比96%、累計で94%。持ち直したけれども、前年割れは変わっていない、といったところです。


と、いう感じで、相変わらず前年割れではありますが、6月に比べると随分と持ち直していますね。
6月がひどすぎたということなのか、7月がんばったということなのか。
ここはポジティブに、7月がんばったと捉えましょうか。
何をどうがんばったのか、リスナーに形として見えてこないのが歯がゆいところですが(笑)
posted by 旅烏 at 02:25| Comment(1) | TrackBack(3) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月23日

文化庁は開かれた役所です(笑)

と、いうわけで、お役所関係をふたつ。

まずはCopy & Copyright Diaryさん、及び造反有理さんより。
文化庁が文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第1回)文化審議会著作権分科会契約・流通小委員会(第1回)の一般傍聴を募集しております。
議事録が公開される委員会で、録音が禁止されているというのが相変わらず謎なんですが(笑)。東京近辺の方で関心をお持ちの方は行ってみてはいかがでしょうか。


もうひとつ、コメントにて教えていただきました、文化庁の著作権等管理事業法の施行状況等に関する意見募集。締め切りは9月30日まで。
で、著作権管理事業法ってなんのことかさっぱりだったので、検索して見たら、これがトップにでてきました。Netlawによる詳細解説がこちら
法律のことはさっぱりなのですが、「独占」ってのがキーワードになるのかなあ?

追記:Taste topさん経由、owner's logの高橋健太郎氏より。
公正取引委員会が音楽CD等の流通に関する懇談会(仮称)を開催するとのことです。
再販制度を苦々しく思っていることでは右に出るものはいないであろう公取委。どのような懇談会になるのでしょうか。
役所関係がにぎやかになってまいりましたな。
posted by 旅烏 at 22:59| Comment(0) | TrackBack(2) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ALKAHOLIKS解散

put em on the mapで知ったのですが、Tha LiksっていうかTha Alkaholiksが、来年の初頭に出すアルバムを最後に解散するそうです。
それぞれソロに転じるそうですが、残念(J-ROのソロは楽しみですが)。
個人的には、2ndアルバムの“Coast 2 Coast”という傑作を発表して以来、ちょいと迷走気味の感があったのですが、この人たちは今後もHIPHOPを楽しみながらやっていくんだろうなと思っていたので、意外も意外。ショックもショック。
LIKWIT CREWではXZBITの商業的成功があったり、MADLIBがシーンの寵児になったりと、どーもLIKSや御大KING Tの低評価ぶりが歯がゆかったりしたわけですが。やっぱりLIKSが一番好きだなあ、この中では。
不器用さと力強さが最大の魅力だったグループ、最後のアルバムも不器用に決めてくれることを期待しましょう。
posted by 旅烏 at 21:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月21日

誰が誰の敵で何が壁か

つうわけで、研修から帰って来ました。
なんとか眠らずに乗り切ることができましたよ。うんうん。

で、研修などどこ吹く風で、ふたつほど。

まずは、ご存知の方も多いでしょうが、ふるほん文庫やさんです。
文庫本の在庫50万冊を誇る古本屋さんでございまして。
ここが、「ミニ店舗」として、日本各地の色んなお店(その多くは新刊書店です)に商品を陳列しているのですよ。
実は、ミニ店舗を利用したことがありまして、何気なく入った本屋で、何年も探していたジョージ・R・R・マーティンの「サンドキングス」を発見したときは、そりゃ興奮しましたよ(笑)。


もひとつ、株式会社テイツーさん。ここは、新古書店の「古本市場」を経営しております。
で、いくつかグループ企業を抱えているのですが、その中にブックスクエアという新刊書店がありまして。
新古書店をやっている会社が新刊書店もやっているわけですな。
将来的には、同じ店舗で古本と新刊書を扱っていきたいという意向を持っているそうです。
取次がなかなか本をおろしてくれないとか、そういった障害の存在も漏れ伝わっては来るのですがね。


と、この二つの話題。
いずれも、古本業界から、新刊書へのアプローチです。
古本業界は新刊書籍に魅力を感じ、それを自分たちの商売にも取り入れようという動きがあるのに対し、出版界は書籍の中古流通へなんらかの法的規制を行おうという意向を持っています。
この差はいったいなんなんですかね?
posted by 旅烏 at 13:18| Comment(2) | TrackBack(0) | 出版業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月19日

デューク東郷でもない

引越しも無事終わりまして、まあ、新居は快適なのですが。
越して二日目にしてゴキブリが2匹ってのはいただけねえな。
泡で固めようとしたけれども、私は次元でものび太でもないので一発でしとめることが出来ず、アメリカのようにあちこちに泡を誤爆しまくったわけですが。
凸凹の壁紙に張り付いた泡は、はがすのになかなか苦労するわけで。
ゴキブリを退治するのにも、狙撃の腕を磨かなければいけない世の中ですよ。
関係ないが、ゴキブリ退治中のBGMはMeshell Ndegeocelloでした。グルーヴ感に秀でたゴキブリ。
そんなこんなで、明日から研修とやらにいってきます。私が留守の間に、オリンピックで感動的なシーンがありませんように。
posted by 旅烏 at 02:23| Comment(1) | TrackBack(0) | 日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ウチの店のCDのラインナップ

ウチの店は中古CDと新作CD、両方とも取り扱っているんですわ。
で、先日、CDの棚卸をやったんですがね。ところどころ陳列が乱れておりまして、今日はお客さんも少なかったので、棚の整理をしたんですよね。

うむ。
中古の「せ」の棚に千年コメッツが何枚もささっていたり、新品の「ら行」の棚にロリータ18号しかささっていない様な棚は、愉快だけれど売上的に大丈夫なのだろうか?
個人的には、チャカ・カーンとジャングル・ブラザーズが、邦楽中古の棚にさしてあったことに、憂慮の念を禁じえないのですが。
posted by 旅烏 at 02:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月18日

輸入盤のオーダー おかわり

輸入盤のオーダーについて。情報ソースはまたWaste of Pops 80s-90sさんなのですが。
タワーレコード渋谷店で、輸入盤の予約、受け付けてくれるそうです。
でも、@Towerでは不可、と。
やっぱり「なんでだ?」となることには変わりないのですが。
posted by 旅烏 at 01:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

私的録音補償金について思うこと 或いは返す刀

ええと、facethemusicさんや ふっかつ! れしのお探しモノげっきさんでこちらの記事「柔らかいデジタル 第17回〜デジタル時代にそぐわないどんぶり勘定」を取り上げてらっしゃいます。と、いうことは、他にも多くのサイトが取り上げているでしょう。まあ、それはさておき。

記事の内容はというと、日本でiTunes Music Storeが開始されない理由を私的録音補償金制度の側面から分析し、さらにJASRACやSARAHによる著作権者への利益分配のやり方が、時代にそぐわないものではないかという指摘にまで踏み込んでいくのですが、それはさておき。

記事中で、私的録音補償金の実際の金額について触れられています。引用させていただくと
『金額はカタログなどの表示価格に対して機器本体の場合約1.3%(上限1000円、録音機能2基搭載の場合1500円)、媒体で約1.5%だ。MDで計算すると1枚あたり約3〜4円程度となる』
だ、そうでございまして、じゃあ、録音メディアはオープン価格に出来ないのかよ。それもひでえなとか思うのですが、それはさておき。

ここで、少し前の記事を思い出してください。この記事も各所で紹介されていましたので、覚えてらっしゃる方も多いに違いありません。
この記事ですわ。「ユーザー置き去りの著作権攻防戦
ね、覚えてるでしょ? まあ、覚えてない方も、読んでいなかった方も、この機会に読んでみてください。
さて、この中で、JASRAC録音部長の沼村氏によると、JASRACとRIAJは、私的録音補償金について、2つの要望を持っているそうなのですよ。
ひとつは、データ用CD-R/RW、パソコン、iPod等への課金対象の拡大(従来は、MDや音楽用CD-R/RW、DAT、DCCが対象となっていました)。
もうひとつは、こちら、あまり注目されていないような気もするのですが、媒体価格比で決められている金額(上で引用させていただいた、約1.3%だとか約1.5%だとかいう奴です)を、1枚あたりいくらの定額制にするというもの。
要するに、CD-R/RWやMDが広く普及すれば、当然価格も下がるわけで、価格が下がれば実入りも減るわけですな。
「媒体の値段が下がっても、収録される音楽の価値は変わらないはず」というのが理屈だそうです。

いや、まあ定額なら定額でいいんですがね。
ひとつ提案があります。

印税のことなんですわ。
印税については無知もいいところですが、各所で語られているのを読ませていただくに、どうもパーセンテージで語られていることが多いようで。てことは、実際の契約も、「売上(単価)の○%」って形で結ばれているのだろうと思います。
うーん。おかしくないですか?
いや、私的録音補償金と印税がまるっきり別のものである理屈なんて、いくらでも出てくるとは思うんですが、それでも、この両者の算定基準が片方は価格比、片方は定額と異なっているのは、どうも気持ちが悪い。心情的には納得できないですよ。
ここはひとつ、アーティストに支払われる金額についても、1枚いくらの定額制にしてみたらどうでしょうね?
ほら「媒体の値段が下がっても、収録される音楽の価値は変わらないはず」なんでしょ?
それは録音メディアだけではなく、レコード会社から発売される音源にも同様に当てはまるはずです。だったら、時に戦略的に安売りされたりもする、価格との対比で著作権料を支払うのではなく、1枚いくらという形を目指すべきではないでしょうか?
私的録音補償金の定額化はJASRACのみが要望しているのではなく、RIAJも要望しているそうですので、なおさらそう思いますね。
どうですか?
まあ、そうするとRIAJの実入りは減るのかもしれませんがね(笑)
自分たち著作権隣接権者を保護する要望ばかりじゃなくて、ここいらで著作権者を保護する要望もしてみたらいかがですか?
posted by 旅烏 at 00:43| Comment(1) | TrackBack(0) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月16日

俺が引越しの前日だというのに朝の9時過ぎまで働いていた件について

棚卸なんて嫌いだ。


あと、ウチの店から鬼束ちひろのシングルコレクションを盗んでいった奴は、今までの人生をなかったことにしてやる
posted by 旅烏 at 10:58| Comment(9) | TrackBack(0) | 日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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