2004年10月29日

還流盤輸入禁止期間は4年に正式決定 或いは馬鹿は何をやらせても馬鹿

最近気の滅入ることが多いんだけども、今日はこんな気の滅入るニュースが待っていた。
「著作権改正要望のパブリックコメントを追跡する」より、文化庁が出したプレスリリース。こちらをどうぞ。

まあ、文化庁は還流盤の輸入禁止期間を4年に正式決定したよ、と。
なんというか、馬鹿は何をやらせても馬鹿なわけで。
馬鹿なんだから、もっと人々のお役に立つ職業に就いたほうがいいと思うぞ。

で、どのへんが馬鹿かというと、具体例の挙げ方が馬鹿。
引用すると


・これまでに約340万枚売り上げている音楽レコードの例
 →発売から4年目に約10万枚、5年目に約8万枚、6年目に約18万枚を売り上げている例
・これまでに約50万枚を売り上げている音楽レコードの例
 →発売から4年目・5年目には数千枚程度だったものが、6年目に約9万枚を売り上げている例



これで鬼の首を取ったように喜んでいる吉川著作権課課長の姿を想像すると、どこか微笑ましささえ感じる。あれだ、馬鹿な子ほどかわいいという奴だ。
でだ、その下に小さい文字でこんな注が入れてある。こちらも引用すると


注:「週に何千枚、年に何万枚」が相当程度の売上であることは、今回実態分析の対象とした約6万タイトル中、トータルの売上でも1千枚に満たないものが約40%を占めることからもわかる。



ね、馬鹿でしょ?
つまり、「調査した6万タイトル中、約40%は具体例で挙げたようなパターンには当てはまりようが無い」ということを、自分で言っているわけ。
あのなあ、今までどんぶり勘定で、自分の老後の安定のために産業界の言うことを聞いて生きてきたのはわかるけれども、もはや衆人環視の中にいるも同然なんだから、もうちょっとまともなデータの分析をしたらどう?
文化庁が言っているのは、喩えて言うとこんなのと同じ。

「お年寄りに運動をしてもらおうと思うんですが、約6万人のお年寄りを調査したところ
具体例
・83歳男性、100メートルを14秒で走破する。
・76歳女性、フルマラソンを4時間で走破する。
という方もおり、お年寄りといっても一概に体力が無いというわけではないので、5000メートルを日本に住むお年寄り全員に走ってもらうことにします。
注:100メートル14秒、フルマラソン5時間がいかに優れた記録であるかというのは、調査した6万人中、約40%の方がこの記録に遠く及ばなかった事からも明らかです」


ったく、6万タイトルを調査したんだったら、売上推移の全体的傾向でも示してそれを根拠にすりゃあいいだろうに、特異な例を二つ上げてそれを根拠にするなんて、本当、馬鹿って予想の斜め下を行くから素敵。
4年にすりゃあ、確かに文化庁が挙げた具体例のような売上推移を示すごくごく一部のタイトルは救われるだろうがね(その割合はいったい全体の何割くらいなのかな? こういうことこそ調査で明らかにされるべきことなんだが)。その影でいったいどれだけのタイトルが国内盤の実質的な売上もないままに輸入禁止され続け、その結果、どれだけ日本の音楽シーンから多様性が奪われることになるのか。
まあ、日本の大手レコード会社は、全力を挙げて衰退しようとがんばっているようであるから、いいんだけどさ、もう。


追記:そうそう、この還流盤輸入禁止っていうのは来年の1月1日から実施されるんだけど、1月1日時点でもうリリースされている「商品」(もう作品なんて言わんぞ)に関しても、4年間還流盤が入ってこなくなる。
なんでそういうことに決定したのか、その根拠は一切示されてないあたりも、想像を絶する馬鹿さ加減が素敵。失業しちゃえばいいのに。
posted by 旅烏 at 23:05| Comment(95) | TrackBack(27) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

小学生

いや、今日先輩社員と二人で万引き未遂を見つけましてね。それが小学6年生の二人組みときたもんだ。背中から下げた鞄の中には、アドバンスのソフトがごっそり。
小学生は咄嗟に「これは○○のです!」と、近くにある競合店の名前をあげたけれども、いや、値札にしっかりとウチの店名がプリントしてあるし、大体、セーファーをつけたままソフトを販売する店なんてあるものか(CDやゲームに、なんかプラスチックの枠みたいなものをはめて陳列してある風景、見たことありません? あれをセーファーと呼称しております)。
かくして事務所へご案内、と。


まあ、小学生だから、今回は警察には言わんとこう、と。
で、家の電話番号を聞いたら、なんと片割れが「知らない」という。ほほう。
じゃあ親御さんの名前は? と聞いてみたら「覚えてない」とのこと。
おいおい、随分親不孝な小学生だな
まあ、苦し紛れなんでしょうが。

覚えていないんじゃしょうがないよねえ?
というわけで学校に連絡。
さらに、学校で連絡先を教えてもらって、それぞれの家へも連絡。
親御さん、すぐにはこれないそうで、結局担任の先生が迎えに来て、子供を引き取って行ったんだけれども。


なんつーかね。
以前、今はもう存在しない某掲示板で、アルバイト先で万引きがとっ捕まり、そいつが警察へ連れて行かれる光景を見て
「あんな大事になるなんて……万引きを軽く考えていたけれど、絶対にもうするまいと思いました」
ってな旨、書いてあったのを読んだことがあり、んなもんあったりまえだろうがと呆れ返ったことがあったんですが。
で、以前万引きでとっ捕まえて警察に引き渡した奴が、後で聞いてみると執行猶予中だったってんで呆れ返ったなんてことも思い出したりしつつ。二十歳も過ぎてこんなことで懲役食らう羽目になって、何やってんだか。
なんだかなあ、つくづく嫌になる。
posted by 旅烏 at 04:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

MONEY MARK等

“SOUL TREE a musical tribute to toshinobu kubota”
“Kirinji Archives Singles Best”キリンジ
“Change is Coming”MONEY MARK
“Ruby Vroom”SOUL COUGHING

ウチの店で「中古CD30%オフ!」という、なんというか言い出した奴出て来いというセールが始まったため、仕事上がりに売場を物色し買ってきた品々。

“Ruby Vroom”は持っているのだけれど、盤面に傷がついてしまい、よりにもよって大好きな曲“Mr. Bitterness”がきちんと聴けなくなってしまったので、この機会に買いなおし。おそらくは一生聴き続けるであろう愛聴盤。

久保田利信のトリビュートはライムスター目当て。で、その曲“TAWAWAヒットパレード”(BOO,KEYCO & RHYMESTER feat. BUTTER DOG MARKET)は期待通りのファンキーな出来。
他には“Dance If You Want It”(ゴスペラーズ meets ナニワエキスプレス)、“You Were Mine”(椎名純平 with ダンス☆マン)が聴いていて気持ちよかった。ダンス☆マンがリードボーカルを取ってくれたらもっと良かったのに。椎名純平のソロ作品はきちんと聞いたこと無いんだけれど、もっと粘りつくようなドロドロの曲の方が合うのではなかろうか。
事前の予想では“Missing”(中島美嘉)がワーストだった。実際、中島美嘉のバックで村上ポンタ秀一がドラムを叩くという才能と経験の消費っぷりもなかなか捨てがたかったのだけれど、それ以上に“流星のサドル”(SOULHEAD)がもう俺の好みに合わないこと合わないこと。ギターをやかましくし原曲のもつファンキーさを削ぎ落とした珠玉のアレンジに、久保田利信の対極を行くことを意識したであろう平板なボーカル、日本のHIPHOPシーンに一石を投じるノリの悪さを信条としたライミング、どれをとっても完璧。それなのにMixをD.O.I.氏がやっている才能と経験の浪費っぷりも素敵。

キリンジは「Steely Danに似ているらしい」と風の噂に聞き、お試しのつもりで購入。期待していたものとは大分違ったのだけれど、聴いていて嫌かといったら決して嫌ではなく、今度の休みにでもじっくり聴いてみようかと。

MONEY MARKのアルバムは素晴らしかった。同じオルガン奏者(てか、MONEY MARKはマルチプレイヤーだけども)ってことでMedeski,Martin & Woodsを想起したりもしたのだけれど、俺はMONEY MARKの方がすんなり聴けるかも。聴いていると自然と首が、体が、動き出す。
posted by 旅烏 at 02:24| Comment(1) | TrackBack(0) | 購入したCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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