ちょっとそのエントリの主題からはずれてしまうのだけれど、本の帯の話。
ご存知の方はご存知であろう、遠からん者は音に聞け、近からん者は目にも見よ、私は新古書店勤務の古本担当だったりするのである。
で、新古書店(古書店じゃないぞ)で帯がどのような扱いをされているかというと(まあ、店によって会社によって、若干の方針の違いはあるとは思うけど)、基本的に速攻でゴミ箱行きである。これがなぜかって、案外知らない人多いんじゃないかな?
まず、どうせ破れやすいんだからはなっから外してしまえというのが一つ。
また、何年も前の帯をつけていても販促効果なんかあるわけないというのが一つ。
そしておそらく最大の理由が、「背表紙の色あせの防止」なんですわ。
背表紙というのは、大変に色あせしやすい。嘘だと思ったらあれだ、あなたの部屋の本棚にささってる本の背表紙、あらためてじっくりと見て御覧なさい。案外色あせているもんだから。
でですよ、その中から色のついていて、なおかつ帯がつけっ放しの本をおもむろに取り出してみたりするともっといい。白だとわかりにくいから、白じゃない色の背表紙で一つよろしく。
そして、満を持してその帯を取り外していただくと、ほら、光が当たっていない帯の下の部分と、既に色あせしてしまっている部分がくっきりと分かれてしまっているのがわかるでしょう?
入荷した本がすぐに売れるのであれば、帯をつけたままでも色あせの心配はあまりないのだけれど、もちろん、そううまいこと行くはずもないわけで。売場に長いこと置いてある商品というのも出てきます。
そうなると、売場での色あせというのも出てくるわけだけれど、さて、背表紙全体が色あせしていくのと、帯をつけっぱなしでツートンに色あせしてしまうのと、どちらを選ぶかという話なわけですな。
多くの新古書店は前者を選んでいます。
たまにお客さんから、「本を売るときには帯をつけておいた方が良いんですか?」とか聞かれることがあるのだけれど、そういったときには「いや、外しておいていただいた方がありがたいです」とお答えしています。いや、多いんだよ。帯のせいでくっきりとツートンカラーになっちゃってる文庫とかって。