2005年08月31日

某DVDと商慣習

もうすぐ某DVDがでますな。私は某DVD及び関連ゲームにはにはまるっきし興味がないのでよくわからんのですが。この作品については妙な話も伝わってくるんですが、それは企業秘密ですのでにんともかんとも。


でもまあ、これくらいはいってみりゃあ公然の秘密ですんで書いちゃいますが、このDVDを出すメーカーから「発売日以前の販売はまかりならん」という連絡がございました。全国の店舗に公平な競争を云々、守らなかった場合は契約解除が云々。
関係ありませんが、ゲームの場合も同様の通達だか圧力だか、まあ呼び名はともかく働きかけがあります。今回のDVDも同様のやり方をしているわけですな。


ところが、皆さんご存知の通りCDやDVDの場合はほとんどの店舗は入荷したらすぐに店頭に並べます。というかね、伝票に「店頭日は○○日(←発売日の前日)厳守でお願いいたします」みたいに書いて来るんだよ(笑)。ソニーからなんかはCDもゲームも入ってくるわけで、まったく正反対の「指図」になんか笑けてくるわけですが。まあ、DVDの場合は「入荷日の前日には店頭に並んでいる」というのがあるわけです。お客さんもそれを知っているので、発売日の前日にDVDやCDを買いに来たり入荷の問い合わせをしたりというお客さんがたくさんいらっしゃる。


で、もうじき出る某ゲームに関連したDVDというのは当然ながらゲームではなく映像作品でありまして、DVDなわけですよ。
DVDは通常、発売日の前日には店頭に並んでいます。お客さんもそれを知っている上で、贔屓のお店に買いに行くわけです。
このDVDに関しては「発売日前日に売ることはまかりならん。売ったら契約解除するからね」と言われているので、まあ、多くの店は発売日の前日には店頭には並べないと思います。
でも、お客さんはそんなこと知りませんよね。話題作であり、ウチの店でもたくさんの予約が入っています。全国各地で、たくさんのお客さんが発売日前日に貴重な時間を割いてお店に買いにいったり、お店に問い合わせしたりすることでしょう。
そして多くのお客さんが無駄足を踏むわけです。


いやまあ、良いんですけどね。ここまでお客さんにそっぽを向いた企業態度は、思わず溜息を誘うな、と。発売日前日に、たくさんのお客さんが無駄足を踏むことくらい予想できるだろうに。
でもなあ、さすがにス……某メーカーに契約解除されたらたまらんしなあ(苦笑)。
posted by 旅烏 at 04:06| Comment(4) | TrackBack(7) | 日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

セキュアCDがやってきた

一部で話題になっておりましたローリング・ストーンズの「ア・ビガー・バン」が入荷してまいりましたよ。
従来色々なCDで使われていたものとは異なるコピー防止技術を用いた円盤型の音源ですな。ビバ! 東芝EMI! その壮挙に乾杯!


まあ、「CCCD」ってえのは「コピーコントロールCD」なわけで、CD用のプレーヤーで再生されることを目的とした音源になんらかのコピーコントロール技術が用いられていれば、全部CCCDっちゃあCCCDなわけですが、お馴染みのCCCDマークはついておりません。まあ、イメージダウンになるだろうしなあ(笑)。
もちろん、当然のことながらCDマークもついておりません。いや、中開いて見たわけじゃないけどさ、ケース見た限りではなかったなあ。隠してあったりしてな。


で、裏を見ますと、でかでかと「パソコンでのご使用には制約があります」と書いてありまして。WMAしか対応してないよん。MacもiTunesも知りませんよ、と。いや、こうやって実際に見てみるとインパクトあるなあ。Win XP(32)用の専用ソフトじゃないとあかんそうで、XP(64)やMac等は知らんのだと。私がいまだに使っているMeなんかは書かれてすらいないっすわ。「等」の中に入るんだろうな。
でまあ、実にくっきりはっきりした字で



製造上の不良を除き、交換・返品・返金には応じかねます。


<免責事項>
データ損失や動作不良等の如何なる損害についても補償いたしません。



都合の良い免責事項ですこと。
なんかね、「パソコンの使用状況によっては、専用ソフトが動作しない場合があります」とも書いてあるのね。なんだよ、それ。じゃあ、安心して使える環境ってなんなのさ(苦笑)。


というか、この補償一切無しの投げっぱなしジャーマン商法はCCCDと全く同じ構図なわけで、なーんも学習しなかったんだろうなあ。
posted by 旅烏 at 02:54| Comment(17) | TrackBack(6) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

キース・ローマー等

「銀河のさすらいびと」キース・ローマー/ハヤカワ文庫SF
「マジック・キングダムでおちぶれて」コリイ・ドクトロウ/同上
「栄光への飛翔」エリザベス・ムーン/同上
「鏡像の敵」神林長平/ハヤカワ文庫JA
「ダウン・ツ・ヘヴン」森博嗣/中央公論新社
「よつばと!(4)」あずまきよひこ/メディアワークス


うすうす感づいてはいたんだけれど、「よつばと!」は終わらない夏の物語なんかじゃなかったんだなあ。
posted by 旅烏 at 02:27| Comment(17) | TrackBack(6) | 購入した書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月24日

逃げるんだよ、とにかく。

この夏は今のところ、もう目茶苦茶忙しいのである。特にお盆以降。
ありがたいことに客足も好調な上に買い取りも殺人的に好調で、その上棚卸3連発(ウチの会社は商品分野ごとにわけて棚卸をするのだけれど、今月は3つの部門の棚卸が重なってしまうのです)な上に、担当部門である古本の棚卸数日前に激しい下痢と立っていられないくらいの腹痛に襲われ、病院に駆け込んでみれば急逝の胃腸炎、おまけに肝機能が落ちているとか言われて点滴もうって、ついでに先週の総睡眠時間が20時間くらいって、あれか、俺は全盛時のピンクレディーかなんかか。
ホントもう、家ではひたすら寝ているだけでネットのチェックは愚か彼女に電話すら出来んかったのだがその件について苦情はくるし、今まで過ごした夏の中でもワースト3には入るんじゃないかというサンドバッグ状態を呈しているのだ。
本日がこの夏で唯一楽しみにしていた日といっても過言ではない。つまりはライムスターのシングル「逃走のファンク」が店頭に並ぶ日である。予約していたので入手は問題なし。帰宅してヘッドフォンを装着し、リピートし続けていたらいつの間にやら3時間ほど経過していた。うん。いい感じだ。
音的にはMummy Dが竹内朋康と組んでいるユニットであるところのマボロシの延長線上にある。考えてみれば、マボロシのアルバム「ワルダクミ」もファンクというのがキーワードの一つだった(つーか、ギタリストと組んで実現しようとしたファンク志向と、「廻シ蹴リ」「ブレーメン」と言った曲に顕著な骨の髄まで染み込んだHIPHOP志向がおりなすアンビバレンツな感じが印象的)。
「逃走のファンク」も竹内朋康を起用した、ギターリフを存分に生かした攻撃的な仕上がりにしてパーティー仕様のナンバー。ただし、マボロシとは違ってもうひとりのMCである宇多丸師匠が絡んでくるのだ。リリックは一筋縄ではいかない。

さて、最初に書いたように今月の、というか今現在の私はまったくもってボロ切れ状態な訳だけれど、この曲はそんな私に過剰なまでに逃走を勧めてくる。さすが、今の日本でも有数のアジテーター。これはまずい。なんか聞いているうちにマジで逃げ出したくなってくる。髪を伸ばすか、それとも坊主にするところからはじめる現状からの逃走。考えてみると「グレイゾーン」でも、「逃走」と「闘争」というキーワードが関連付けられていた。
ライムスは今回の「逃走のファンク」で、何気ない日常のクソッタレ具合をこれでもかと増幅して見せている。そのクソッタレな日常(「現実」とか「現在」とか言い換えてもよろしかろう)に対する闘争手段として「逃走」をチョイスする図式だ。生存闘争ですな。


最近も世の中何かと騒々しい。多くの人の共通の関心事としてはもちろん衆院選があるし、自分の興味が及ぶ範囲でもiTMSがスタートしたり、私的録音補償金制度を巡る動きが活発化したり、三田誠広(敬称略)が著作権の保護期間について馬鹿丸出しの発言をしたり、なんかもう色々である。
今でも興味は持ち続けているし、選挙にもいくさ。
でもな、なすべきことが山積みで気分的にはもう真っ平御免だ。今後も興味は持ち続けるし、取り上げることももちろんあるだろう。しかし、せっつかれるのは御免こうむる。いつぞやみたく、棚卸が重なってクソ忙しいのにコメント欄でアレをしろコレをしろと騒がれるのはもう嫌だね。果てにはメールまで送ってきやがる。とまあこれは某氏のことだが。
ゲームを降りる気はさらさらないが、この夏、俺は逃げて逃げて逃げまくってやる。


つーわけでおまいら。
逃げろ
posted by 旅烏 at 02:52| Comment(15) | TrackBack(11) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月12日

星野さんが巨人に行くかもなんて話があるそうで

 昨日の風はどんなのだっけ?さんをみていたら、星野仙一氏が巨人に行くかもなんて話があるそうで。わははは。あの人、マスコミも巻き込んでチームのモチベーションを高めていくのはうまいからなあ(笑)。
私は去年・今年と碌に野球はチェックしていない元中日ファンなわけですが、星野さんは評価されすぎじゃないかってのには思わずうなずいてしまったり。
近藤・与田・森田といった若手の投手を、ほぼ一年で使い潰したのは忘れられないよ。
逆に、2度の星野体制で先発を勤めた山本昌の自己管理能力は凄いと思う(笑)。
まあ、山本昌の自己管理の凄さってのは特集組まれるくらいなんで、これは半分冗談ですが。
中日における2度目の星野体制や星野阪神では使い潰された象徴的な選手って思い浮かばないんで、今の星野さんはそういうことはしなくなったのかもしれないけれど、最初に就任した時の印象がどうしても払拭できないんだよなあ。 
posted by 旅烏 at 13:46| Comment(22) | TrackBack(8) | 日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

小川一水、畑健二郎等

「ハヤテのごとく(1〜3)」畑健二郎(小学館)
「アイシールド21(1〜14)」村田雄介/稲垣理一郎(集英社)
「マニマニ」宇仁田ゆみ(祥伝社)
以上コミック

「老ヴォールの惑星」小川一水(ハヤカワ文庫JA)
「空高く」マイクル・ギルバート(ハヤカワミステリ文庫)
「火星ノンストップ」山本弘 編(早川書房)
「食卓にビールを(1〜3)」小林めぐみ(富士見ミステリー文庫)


今日一日で全部買ったわけではないっす。それにしても、本を買った日に限って公共料金やら新聞代やらの請求が来る。財布が寒い。
そんなことよりも、RHYMESTERのニューシングル「逃走のファンク」(8月24日発売)を勤め先で予約しようと思ったら入荷予定がなく、注文扱いになってしまった件について。

posted by 旅烏 at 13:28| Comment(2) | TrackBack(5) | 購入した書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月04日

質問と回答をクリップ

試される。の暇人#9さんが還流防止措置についてRIAJへ質問のメールを送り、RIAJから返事が返ってきたそうで。
とりあえず以下の三点を頭に叩き込んでおけばいいのではないだろうか。

・RIAJは「還流防止措置の対象としては、税関への申し立てが受理された音源が対象となる」と明言している点。


・実際にはRIAJのサイトで「受理済み」となっている音源よりも、もっと多くの音源が申し立てを受理されているが、その情報が公開されていない可能性。


・逆に、実際には申し立てのみでまだそれが受理されていない段階でも税関ではそれらの音源をストップしてしまっており、それを見越したRIAJ加盟各社が受理そっちのけで鬼のように申し立てをしている可能性。


特に一番最初の奴は、RIAJが自分たちでアナウンスする気はなさそうなので、草の根的に情報を拡げていく必要があるような気配。
 なにはともあれ、暇人#9さんにおかれましては、お疲れ様です。
posted by 旅烏 at 12:35| Comment(2) | TrackBack(5) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

17歳の地図

しばらく前から考えていたことを書いてみようと思う。まとまらないとは思うけれど、まあご愛嬌。



 ちょっと前に、伊藤典夫編「SFベスト201」(新書館  …関係ないが、この表紙はもうちょっとどうにかならんかったか?)と、大森望「現代SF1500冊 乱闘編1975〜1995」(大田出版)を購入した。どちらもSF小説のブックガイドだが。かなり趣きは異なっている。

 前者は、今までにも数多く(いや、多くはないか(笑))書かれたSF小説のガイドブックと同じようなスタイルをとっている。つまり、何冊ものオススメ本だか必読書だか、まあそういった本を、何人もの評者たちが紹介しているというスタイル。書き手が単独であるか複数であるかという違いはあれ、このスタイルのガイドは多い。SFを読み始めた頃お世話になったハヤカワ文庫の「SFガイドブック」や、伊藤典夫の序文でも触れられている自由国民社の「世界のSF文学・総解説」もそう。
 この手の本は通して通読するより、適当なところを開いてパラパラとやるのがなんとも言えず楽しい。風間賢二の「いけない読書マニュアル」なんかも、同じような読み方して、すっげえ楽しんだような記憶がある。


 後者は、逆に通して読んだ方が面白い。大森望が様々な雑誌や新聞で書いてきた書評を集めたものだからである。様々な本に対する大森氏の評価ももちろんなのだけれど、それよりもその当時どんなSF小説が出版されていたか、シーンがどんな様子だったかが垣間見れて、面白いやら懐かしいやら。25歳以上のSFファンにはオススメ。


24歳以下のSFファンなんて実在するのかという疑問は、俺の胸の奥にしまっておこう。


 SFのみならず、こういったジャンル小説のガイドブック(場合によってはジャンルを跨いだガイドブック)というのは古今東西いろいろある。いや、小説に限らず、映画でも音楽でも色々あるな。要はあるジャンルのシーンを概観して、それを広めることを目的とした本。個人的に、そういったシーンを概観する作業を「地図作り」と呼んでいる。


 でだ、SF小説を出している出版社といえば早川書房に東京創元社、も一つおまけに徳間書店といったところが老舗なわけだ。
 今までSF小説のガイドブックというと、なぜか海外モノ主体であることがやたらと多く、必然的に早川書房や東京創元社、それと今は亡きサンリオSF文庫の作品が多く取り上げられてきた。


 さて、ここんところ、SF小説というのは割りと元気が良い。10年位前は「冬の時代」やら「クズSF論争」(関係ないが、今考えるとこれは壮大な(ジャンルの規模を考えると卑小な?)茶番だった。私がSFの評論に全く興味がもてなくなったのはこの頃からだ)やら言ってた訳だが、いやいや、隔世の感がありますな。
 今の好調を支えているのは、海外小説の翻訳においては河出書房の〈奇想コレクション〉と国書刊行会の〈未来の文学〉という二つの野心的な叢書であり、国内においてはライトノベルを主な活躍の場としていた作家を多く起用した〈ハヤカワSFシリーズ Jコレクション〉及びここ最近のハヤカワ文庫JAだったりする。まあ細かく言うと色々あるけど、そこは目を瞑っていただいて。


 何が言いたいかというとね、今の好調を支えているこういった要素が、従来の地図作りでは軽視、場合によっては丸っきり無視されていたのではないかということなんだよ。
 重視していたとは言わさねえぞ。


 従来ノーマークであった出版社(まあ、国書はそうでもなかったかも(笑))や、ノーマークであったジャンル(「ライトノベル」をジャンルとしてくくるか否かは、とりあえず置いとけ)から、今の状況はもたらされたわけで、じゃあ、それらを軽視してきた地図ってなんなのさ? とか思ってしまったわけだ。


 話は更に続く。
 私はライトノベルの良い読者ではないが(興味はあるし何冊か買ってもいるんだけどね、なかなか読めない)、隣の芝生から見てみるに、ライトノベルにおいても地図を作る作業が盛んになってきているように見える。
 いや、いいんだよ。地図を作るのは楽しいし、他人が作った地図をあーでもないこーでもないと眺めるのも楽しい。
 また、過去の作品や他の作家の作品と関連付けて小説を読んでいくというのもそれはそれで楽しいし。
 気になるのは、地図に載らなかった場所はどうなるのかってことなんだわ。既に述べたとおり、SFはそれで一度大失敗している。(もちろんベテラン作家も精力的に活動しているけれども)今のシーンの屋台骨を支える作家たちがデビューしたり、デビューしようとしていたその時期に、彼らにほぼ無視を決め込んでいたんだよ。地図に載っけていなかったばっかりに。
 要は、地図も楽しいばかりではないってこった。地図は楽しくわかりやすいが、境界線もあるし縮尺や解像度の問題もある。しかし、かつて地図の外にも土地が広がっていることを忘れたばかりに、読者も作者も不遇をかこった愚かなジャンルがあったのではないかってことで、ライトノベルにはその轍は踏んで欲しくねえなってこったよ。
 まあ、年寄りの愚痴だと思って、大目にみてくれ。
posted by 旅烏 at 04:39| Comment(0) | TrackBack(6) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ひらのあゆ、松田円など

「ラディカル・ホスピタル(9)」ひらのあゆ/芳文社
「サクラ町さいず(2)」松田円/芳文社
「長い道」こうの史代/双葉社
「ジーニアス・ファクトリー 『ノーベル賞受賞者精子バンク』の奇妙な物語」デイヴィッド・ブロッツ/早川書房
posted by 旅烏 at 03:22| Comment(4) | TrackBack(11) | 購入した書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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