2005年10月20日

衰退とジャンルであることとジャンルではないこと

のべるのぶろぐさんで、「越境」するライトノベル:序章という連載が始まった。ライトノベルに興味を持ちつつ(いや、一応ロードス島世代だし)、何冊か購入するも積読の山っつうか山脈で遭難しかけている私。なにかしら勉強できるんじゃないかなと楽しみにしていたり。


で、読み進めていくと

 ライトノベルが批評されることで衰退していくのではないか、かつてのSFと同じ道を歩んでいくのではないか、と心配する向きもいる。だが私はそれを杞憂と断じる。なぜならライトノベルはジャンルではない、ゆえに閉塞はしない。あらゆるジャンルを自由に渡り歩き、貪欲にあらゆる要素を取り込んでいく。たとえ外からの目にさらされ、定義の枠を嵌められようとしても、ライトノベルの渾沌はそんな外圧など跳ね返すだろう。一ライトノベルファンとしてそう信じる。


かつてのSFと同じように衰退していくのではないかというあたりは、私もちょっと前に同じようなことを書いた。こちらがそのエントリ。やっぱり、他にも似たようなことを考えてる人がいるんだね(笑)。
ファンがそういった見方を杞憂だと前向きに一蹴してしまえる、そういう状況は実に好ましいというか、幸せなことだと思う。いや、本当に(ただ私、ライトノベルには本当に詳しくないので、そういった読者が多数なのかどうかすらわからないんだけどね)。
ただ、ライトノベルがジャンルではないから閉塞はしないってのは、まあ、あまり関係ないだろうなとは思ったりする。SFというジャンルがかつて元気なくなってしまったのは、SFがジャンルであったことが直接の原因だとは思わないので。ジャンルではないものがいわゆる「浸透と拡散」を起こしたらどうなっちまうんだろうとか、結果として特定の出版社・特定の作家にしか目が行かなくなるという、かつてのSFと同じ視野狭窄を起こすんじゃないかとか、そういったことはSFがジャンルであり、ライトノベルがジャンルではないこととはあまり関係ないだろうな、と。
でも、ライトノベルの場合は次世代の作家の発掘という、SFが一番ダメダメだった部分(笑)をしっかりとやっているわけで、その分持続するパワーも凄いだろう。そのパワーでこんな杞憂は跳ね返してしまう可能性も十二分にあるのかな。
ただ、どんな市場であろうとパイは限られているわけで。新しい才能はきっと無限に出てくるけれど、ライトノベル市場は無限じゃない。いつかはライトノベルも、今とは違ったやり方を取らなきゃいけないターニングポイントが来るんだろうなあ、きっと。
なんか良くわからない文章になったけれど、一読者として楽しみにしているので、のべるのぶろぐさんにTBをうたせていただくことにいたしましょう。
posted by 旅烏 at 07:48| Comment(15) | TrackBack(7) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

急いでコーナーを作りましたとも

なんか、マンガ家の末次由紀氏の作品が回収・絶版という騒ぎになっているらしい。わーお。大変大変。
いや、作品についても騒動についても良く知らないんだけども。
絶版ですよ?
もう本屋さんでは買えないという事ですよ?


つまり古本屋でしか買えないわけで、売上アップのチャンスなわけで。
早速、末次由紀作品を集めてコーナーを作ってみました。いや、ウチ新古書店だし。絶版関係ないし。需要あるだろうし。近くにスラムダンクも並べようと思ったら、スラムダンクの在庫が少なくて無理だったりしたわけだけれども。
今日だけで何冊か動いていたので、週末には売切れるくらいの勢いを期待。
posted by 旅烏 at 07:10| Comment(37) | TrackBack(13) | 出版業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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