2004年05月29日

調査報告をずぶの素人が読んでみたよ(ぴあ篇・まとめ篇)

さて、お次は株式会社文化科学研究所の調査報告を読んだ感想を書こうと思うのですが、正直、文部科学委員会で松本議員が既に突っ込みを入れていますので、あまり書くことがないような予感がふつふつと。
まあ、でも読んでみましょう。

文化科学研究所の調査報告書
タイトルは「日本音楽ソフトの還流量調査報告書〜アジア諸国へライセンスした日本の音楽ソフトのわが国への還流量を推計する〜」

・調査員をレコード協会の人間がやっているため、調査結果にバイアスがかかってしまう危険性については、松本議員が指摘したとおり。

・現在の還流CD量を算出する際に、商品回転率として「3・5」という数値を用いた、つまり、ディスカウントストア及びホームセンターでのCD販売量を推計する際に、CD販売店という他業態の平均的な商品回転率数値を用いたことについての不備は、松本議員が指摘したとおり。

・示されたデータを見ると、ここ三年、アジアにおける正規ライセンス盤の数量は暫減傾向にあるが、逆に正規ライセンス盤のタイトル数は増加傾向にあることが示されている。
 つまり、1タイトルあたりの販売数量が減少傾向にあるといえる。
 ちなみに、示されたデータより、年毎の1タイトルあたりの平均売上枚数(或いは出荷枚数)を算出すると
 2000年、1タイトルあたり平均2413.2枚
 2001年、1タイトルあたり平均2177.2枚
 2002年、1タイトルあたり平均1836.6枚
(いずれも、小数点以下第2位切り捨て)
となる。

・上記のようなデータを示しているにもかかわらず、還流量の推定においては、前述、三菱総研の調査報告を、なんら検討すること無しに前提としている。


んなとこですかねえ。
二つ通しての漠然とした感想といたしましては、
「輸入権を創設すれば日本の企業が積極的に進出していくから、市場拡大するんだ」
という主張は、調査報告書内ではなんら検証がなされていないため、説得力を持ちませんね。
というか、アジアで日本のCD市場が拡大するだろうという予測自体、その根拠にそった形での試算が成されていないため、たいした説得力を持たない。そんな印象を受けました。
説得力のない市場増加予測を無批判に前提とすることで行われた還流漁の増加予測も、同様に説得力を持ち得ないと、ずぶの素人は考えるわけでありますが、だれか、経済の偉い人、もっと細かく検証しておくれ(笑)
posted by 旅烏 at 20:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。