2004年06月19日

2turntables & Microphone

輸入権が創設され、輸入盤市場が縮小すると、海外のマイナーな音源は手に入れにくくなりますね。
次は中古規制だそうで。
そうすると、洋邦問わずマイナーな音源は手に入れにくくなりますな。
レコードコレクターには住みにくい世の中ですね。私はコレクターではなく、ちょくちょくCDを買う程度ですが。
私の好物でありますHIPHOPでは、プロデューサー=レコードコレクターだ、なんていう発言もあったりしまして。いや、どこで読んだんだか失念してしまったのですが。
日本を代表するトラックメイカーの一人であるRhymesterのMummy Dも“WELCOME 2 MY ROOM”で、自分の部屋にレコードが溢れかえっている様を描写していますね。
あまたの音源を漁り、その中からこれはというブレイクビーツを探し出すわけです。
アメリカの著名なアーティスト集団であるDiggin' In The Crates(DITC)なんてのは、そのままエサ箱(店のレコード棚)を漁るというところから命名されていたりもします。
彼ら、プロデューサーやDJにとっても、マイナーな音源が手に入れにくい世の中がやってくるのでしょうか。
すると必然的に、魅力的なブレイクを探し出すという作業が阻害されます。
つまり、サンプリングという手法が阻害されるともいえます。そのサンプリングの素材を探し出す作業が阻害されるわけですから。
もちろん、HIPHOPミュージック全てがサンプリングを用いているわけではありません。The RootsやOutkast、Black Eyed Peas、国内においてはLoop Junktionの例を持ち出すまでも無く、生演奏を用いた素晴らしい楽曲は、HIPHOPにも数多く存在しています。
しかしながら、ブレイクビーツという手法の発見によって、HIPHOPは生まれたといっても過言ではなく、ブレイクビーツはその根幹と深く結びついたものです。
俗に「2ターンテーブル & マイクロフォン」というのが、一番ベーシックなスタイルだといわれています。2ターンテーブルが、すなわちブレイクビーツ。マイクロフォンがラップ。ロックで言うところのギター・ベース・ドラムの3ピースみたいなものでしょうか。
もし輸入権創設によって輸入盤市場が縮小し、中古規制によって中古盤市場が縮小したら、これはダイレクトにブレイクビーツに影響するでしょう。
先ほどの3ピースの喩えを使うならば、著作権によってギターの使用を制限されるようなものです。
いや、私、ロックはド素人ですので、著作権によってギターの使用を制限されたら、ロックにどのような影響が出るのか、よくわからないのですが。
結局のところ、何が言いたいのかというと、輸入盤が手に入れにくくなり、中古盤が手に入れにくくなったら、日本におけるHIPHOPは緩慢な死を迎えるのではないか、そう思うのです。
もしそうなってしまったら、70年代半ばにニューヨークで生まれ、80年代に日本に渡ってきて、様々なアーティストの奮闘で日本に根付きつつあるHIPHOPというアートフォームを殺害したのは、RIAJだということになりますね。


posted by 旅烏 at 20:26| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽業界関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
僕なんてHIPHOPなんつうのはからきし門外漢で、D12カッコいいなあくらいの意識しかないのですが。

それでも、あの2ターンテーブルというのが、「貧乏人でも演奏できる」ために生まれたものだというのはなんとなく知っています。
楽器が出来なくても、立派なスタジが無くても、手元にレコードさえあれば、音楽を奏で、リリックを編むことができる、と。

今後、輸入版に希少価値でも出ようものなら、ある意味選ばれたもののみ与えられる音楽、つうことになりますな。少なくとも海外行って音源捜すくらいの根性がないと無理、みたいな。

しかし、邦楽のマーケットも大丈夫なんですかね?
パクリ元が無くなって困るのではないでしょうかーって、いやむしろパクリ元がわかりにくくなって喜ばしいことになるのか?

乱文、失礼しました。
Posted by scifighter at 2004年06月22日 01:29
いつもコメントをありがとうございます。
そうなんですよね。元々ブロックパーティーから始まった文化ですから。敷居が高くなるようなことがあってはなあ、と。
多くの音源を漁るという作業の中で優劣がつくというのがあるべき姿だと思うのですが、その大前提である「誰でも多くの音源に触れる事が出来る」ってのが崩れてしまうと、ちょっときついでしょうね。「金を貯めてレコードを漁りに出かける」のと「金を貯めてレコードを漁りにアメリカへ出かける」のでは雲泥の差が(笑)

邦楽のマーケットは、まあ、大丈夫なんじゃないすか?
そもそも、パクリ云々を気にするリスナーを相手にしていない感がありますから(笑)
Posted by 旅烏 at 2004年06月22日 03:13
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。