2004年09月04日

10年前の自分への手紙

よお。確か、大学1年生のはずだな。夏休みは満喫したか?
まあ、あれだ。10年後も大過なくやってるよ。
古本屋を回って絶版文庫を漁り、HIPHOPに興味を持ち出してるはずだな。
その嗅覚は間違ってない。どんどん読んで、じゃんじゃん聴いてくれ。10年後の今も、その本や曲が、かけがえのない財産になってるから。
あと、もうちょっと専門書も読んでおけ。大丈夫、確かに眠くはなるけど、案外面白いもんだ。手始めに、お前んとこの教授連中の本でも読んどけや。幸いにして、面白い本が書ける人たちだから(つっても、お前の専攻だと、書いてるの二人だけだけどさ)。
あとな、そのままでいても、かけがえのない友達はできるからな。そこらへん、そんなに焦るな。まあ、その時期の焦燥感ってのは仕様みたいなもんだけど、もっとゆっくり構えてろや。
酒、強くないのはわかってるけど、飲み会には顔を出すようにな。その方がなにかと楽しめる。だれもお前を置いてけぼりになんかしないから、焦んなって。

それと、奥手なのはわかってるが、言っても言わなくてももてないのには変わりがない。振られてナンボで、どんどん行っとけ。振られなかったら儲け物だ。

あと、昔から写真とかあまり撮っていないと思うが、もう、じゃんじゃん撮っておけ。
これはお前のためじゃなくて、俺のためだけどな。当時の写真が少なくて困る(笑)。
凍結した通りとか、並木のプラタナスの饐えた匂いとか、門の前のローソンでかかってたミスチルとか、ロッジのチキンカツとか、八珍柿とか、ブックスザウルスとか、生協の書店とか、第三学食とか、平日昼間のシネウインドとか、終電前のゲーセンとか、全部、頭の中に叩き込め。
そこには、もう帰れないからな。その居心地のいい空間は、今しか存在しない。当たり前だけどな。

将来のことなんて漠然としか考えていないだろうが、聴いて驚け、ずっと新潟で暮らしていたお前が、今では関西の住人だ。人生、何がどうなるかわからんもんだな。
お前の就職先は転勤が多い。転勤先で、いろんなかけがえのない人たちと出会う。で、転勤が多いから、その友人たちと離れてしまうんだけど、それでもその人たちは、お前のかけがえのない人たちで居続ける。大事にな。
そんな中に、Kって奴がいる。お前より2歳年下で、お前とは対極にいる優男だ。
そいつとは大の友人になるから、もう、これ以上ないくらいに、もう嫌になるくらいに、色んなことを、たくさん話しておけ。会話だ、キャッチボールだ。
俺は、それが足りなかったおかげで、そいつとは(多分)一生、話すことが出来なくなっちまった。でも、もっともっとたくさん話しておけば、ああいうことは起きずに済んだかもしれない。だから、たくさんたくさん話しておいてくれ。お願いだから。

まあ、お願いといったら、そんなところか。
ちなみに、社会人になってからもお前はもてない。
けどまあ、大事な人には出会えるから、安心しておけ。
うん、そんなところかな。
じゃあ、体には気をつけて。ひねくれるのも程々にな。素直な方が、なにかと人生楽だし、楽しい。
それでは、また10年後にでも。
posted by 旅烏 at 03:55| Comment(2) | TrackBack(1) | 日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
私のBLOGで、勝手にこの記事を紹介してしまいました。トラックバックは使いどころがよくわからなかったので、私の記事の中でこちらにリンクを貼らせてもらいました。

不都合とかあったら言って下さい(汗)
Posted by 葉桜 at 2004年09月05日 03:29
どうもありがとうございます。
特に書いてはありませんが、リンクフリーでやっておりますので、なにも不都合はありません。むしろ光栄なことです。
Posted by 旅烏 at 2004年09月05日 13:40
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10年前の自分へ
Excerpt: 今頃もう夢の中にいる10年前の私へ。 まだ世界がいい意味で狭くて、学校で好きな人を追いかけたりちょっとしたお洒落を楽しんだりしていたあの頃が、私は時々懐かしくなります。 今はまだこんなことを言って..
Weblog: TEA+OFF
Tracked: 2004-12-01 02:09
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